小笠原マルベリー

「ジョン・マン シリーズ1~7」(山本一力)


 

「ジョン・マン シリーズ1~7」(山本一力)

 

概要

 

「ジョン・マン シリーズ作1~7」(山本一力)は、

講談社創業100周年記念書き下ろし作品として、

2010年12月「波濤編」が発行されました。

「ジョン・マン」既刊・関連作品一覧|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)

 

2021年3月時点、このシリーズは7でとまっています。

ジョン・マンがフランクリン号での捕鯨の航海から帰って来て、

次にゴールドラッシュに向かうところまでです。

 

その後、ハワイに行き、さらにに日本に戻り、日本でも活躍するのですが・・

小説現代で、続きは書かれているようなので、いずれ8も出るでしょうね。

 

ジョン・マンは中濱万次郎のこと。

航海中にそう名付けられ、アメリカではそうよばれていました。

小笠原にも何回か来島しています。

 

この小説によると、

ジョンは助けられた船の船名「ジョン・ハウランド」から。

マンは万次郎のマンでもありますが、

船での活躍で、みなから敬意を表されてのザ・マンでもあるようです。

 

実は、ジョン万次郎は作家が作品でつけた名前です。

ジョン万次郎と使ったのは、

井伏鱒二の小説「ジョン万次郎漂流記」(1937)が最初だそうです。

 

 

 

 

シリーズ作

 

ジョン・マン〈波濤編〉(2010年12月)

ジョン・マン2〈太洋編〉(2011年12月)

ジョン・マン3〈望郷編〉(2012年12月)

ジョン・マン4〈青雲編〉(2013年12月)

ジョン・マン5〈立志編〉(2015年6月)

ジョン・マン6〈順風編〉(2017年6月)

ジョン・マン7〈邂逅編〉(2019年7月)

 

本書は、章によって、

日本側(万次郎やその仲間・土佐のことも含む)と米国側(捕鯨船や米国本国)の

それぞれの視点で書かれています。

 

1から順に、万次郎のおいたちから成長を描いていますが、

時々、期間が空くような部分もあります。

 

たとえば、

1では、鳥島への漂流の様子はほぼ書かれていません。

2では、ハワイに着いたのち、万次郎だけが再度捕鯨船に乗り込みますが、

アメリカにたどりつくまでのことはほとんど記載がありません。

 

5の後半で、船員養成学校での生活や桶屋での修行が始まりますが、

6では、一気に船員になって、捕鯨船で出港のところから始まります。

 

 

 

小笠原がらみの部分

 

7.邂逅編で、

フランクリン号が父島に寄港する場面が出てきます。

 

そこでは、

マテオ・マザロ(1830年定住開始時の欧米系5人のうちの1人)に鯨油を売ることが

記述されています。

 

父島特産の酒も出てきますが、

それはサトウキビ原料のラム酒であろうと思います。

定住開始以降から作っていたようです。

小笠原ラム・リキュール(株)小笠原とラム酒 (oga-rum.com)

 

 

 

 

 

万次郎がらみのブログ記事

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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