「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」(井伏鱒二)
目次
概要
1986年発行、
「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」(井伏鱒二)。
本書には3編がおさめられている。
タイトルは
「さざなみ軍記」・「ジョン万次郎漂流記」・「二つの話」。
それぞれ時代も異なり、つながりはない。
「さざなみ軍記」は
源平合戦のころの平家の1人の日記を現代訳に。
「ジョン万次郎漂流記」は
中浜万次郎の生涯。
「二つの話」は
江戸時代にタイムスリップした話。
上記2つは実話ないしは実話がもとに。
最後の1作は完全に創作。
僕が本書を読んだのは
「ジョン万次郎漂流記」は読むためであった。
万次郎は小笠原とも縁があるため。
「ジョン万次郎漂流記」
「ジョン万次郎漂流記」は1937年発行。
1938年上半期の直木賞作品となった。
井伏氏は、
中浜万次郎の知名度を高めた1人といってもいいのだろう。
本書では
漂流部分をメインに万次郎の生涯を描く。
ジョン万次郎こと中浜万次郎。
この本が、
ジョン万次郎という呼称のはじまりのようだ。
タイトルはジョン万次郎とあるが、
本文ではジョン万ないしは万次郎である。
ジョン万(ジョン・マン)は、
アメリカ時代の呼称である。
小笠原と縁がある万次郎だが、
この本文でも小笠原ことがわずかに出る。
文久3年(1863年)、
捕鯨で小笠原に来た時のことである。
参考:万次郎関連
万次郎 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
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