小笠原マルベリー

野生化しているアオノリュウゼツランとサイザルアサ

 

 

概要

 

小笠原では、似た植物で、

アオノリュウゼツランとサイザルアサが野生化。

どちらもキジカクシ科・外来種。

 

明治時代に植栽され、各所に野生化している。

土壌の浅い岩場・崖地などで、

群落をつくっているが多い。

 

どちらかだけが群生しているところと、

混成して生えているところがある。

 

両種はよく似ているので、

葉の色が若干違うが遠目ではわかりにくい。

 

近づくと、

葉の側面にとげのあるなしの違いがある。

 

そこが見分けポイント。

トゲのあるのがアオノリュウゼツラン、

ないのがサイザルアサ。

 

 

 

 

違いまとめ

 

 

アオノリュウゼツラン 

サイザルアサ
葉の側面トゲ

あり

なし
葉の色

やや粉白色を帯びる

葉汁の毒性

あり

(かぶれるとのこと)

なし
開花期

春以降から5月ごろ

5月以降から夏場
     

 

 

<農業センターの説明板:アオノリュウゼツラン>

 

<農業センターの説明板:サイザルアサ>

 

 

 

 

 

 

共通の特徴

 

発芽後7-8年で開花する多年草。

 

花をつけるまでは

地上付近で大きな葉を多数つけた状態。

 

花期を迎えると、

花茎を4-5m程度まで、かなりのばす。

花序の先に多数の花を順次つけるので、

わりと花期は長い。

 

結実のあとは枯死する。

 

 

 

 

 

 

現地の様子

 

 

 

アオノリュウゼツラン

 

同上 葉の縁にトゲ

 

 

サイザルアサ

 

同上 

葉の縁にとげがない

 

両種とも葉の先端は鋭いとげ

 

 

アオノリュウゼツラン

野生化した群落

 

 

サイザルアサ

野生化した群落

 

     

混成した群落

緑の濃いほうがサイザルアサ

粉白色がつくのがアオノリュウゼツラン

 

 

 

花茎をのばし開花

花茎は4-5m

 

花期

夜には

オガサワラオオコウモリが蜜をなめに来る

 

開花直前

 

サイザルアサの花

花序の先に多数の花をつける

(アオノリュウゼツランもおおむね同じかと思う)

花被片は黄緑色6、おしべ6、めしべ1

 

 

 

 

 

和名

 

 

アオノリュウゼツランは「青の竜舌蘭」。

リュウゼツラン属 – Wikipedia

 

青(アオ)は「斑入り」がなく、

青いという意味合いのようだ。

竜舌(リュウゼツ)は、葉の形状から竜の下に見立てたもの。

蘭(ラン)は、ランのような花という意味合い。

 

 

サイザルアサは「サイザル麻」。

サイザルアサ – Wikipedia

 

麻(アサ)は繊維が利用できるところからのよう。

アサの仲間ではない。

サイザルは本種がよく出荷された港の名称のよう。

シサル – Wikipedia

 

 

 

 

 

見るには

 

両種とも

岩場や崖地など各所で野生化している。

道沿いからもあちこち見える。

 

樹林のおおわれた林内ではめったにない。

 

各種ツアーでも紹介できる。

 

 

全ツアーメニュー

 

 

 

 

参考記事

 

 

小笠原で見られる維管束植物(種子植物・シダ)

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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