小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路での自生植物(30)ハウチワノキ


 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

(30)ハウチワノキ(ムクロジ科・広域分布種)

 

小低木性の樹木、ハウチワノキ。

樹高はほとんどが1m程度までです。

 

乾燥した尾根筋や山地の土壌の浅い小低木性のところで

生えています。

そういう場所ではまとまって生えているので、

個体数はそれなりに多いです。

 

分布は父島列島(父島・兄島)などです。

母島列島では分布がないようです。

 

花期になって、花を見ると分かりますが、

本種は雌雄異株です。

 

この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、

夜明道路でわずかに見られる程度です。

 

 

 

 

 

和名

 

ハウチワノキは「羽団扇木」と書きます。

 

由来は、

蒴果に団扇状の翼が見られることによるとのことです。

つまり蒴果を羽団扇に見立てたようです。

 

 

しかし羽団扇を普通に解釈すると、

鳥の羽で作った団扇なので、葉の付き方の方が似ています。

 

 

 

 

 

 

雌雄異株の花

 

花期は3-4月頃です。

雌雄ともかなり小ぶりな花を多くつけます。

雌雄異株ですので、

雄株には雄花、雌株には雌花です。

 

群生しているところで観察すると、

雄花の方がやや早めに咲き始めるようです。

 

本種には花弁がなく、萼片は雌雄とも4-5で、

雄花にはおしべが、雌花にはめしべが目立ちます。

 

雄花はおしべ8(-10)。

下向きに咲いていて、外側の萼片が目立ちます。

雌花はめしべ1で、先が2-3裂。

 

 

雄花 

花弁なく、萼片4-5で、おしべ8(-10)。

下向きに咲いていて、外側の萼片が目立ちます。

 

雄花 黄色の部分がおしべ8(-10)

 

同 雄花

 

 

雌花

花弁なく、萼片は4-5で、めしべ1(柱頭2-3裂)。

 

 

雌花  花柱がのびている様子

 

同 雌花

 

 

 

 

 

葉は枝先にまとまってつきます。

色は黄緑色に近い明るい色です。形はやや細長い倒披針形。

 

 

 

 

樹形

 

樹高50cmから1m程度の小低木です。

 

 

 

 

果実

 

蒴果 2枚の翼があって団扇状です。

中にはごく小粒な黒い種が複数あります。

 

 

 

 

 

見るには・ツアーでは?

 

山地では低木林、岩場などで見られ、数も多いです。

景観ツアーや森歩きで紹介します。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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