小笠原マルベリー

赤い腕が4つのヨツデタケ


 

 

 

概要

 

赤い4つの托(腕)があるヨツデタケ。

腐食の多い湿っぽい地上に生える。

 

*托(たく)・・

スッポンタケ科の外部に露出する部分。

そこに臭い粘液(グレバ) をつける。

 

よく似たきのこにサンコタケがある。

サンコタケは普通腕が3つ(それ以上もある)。

 

腐敗臭で虫を寄せるサンコタケ

 

しかしこれは腕が4つある。

サンコタケの腕の多いものかもしれない。

 

腕の色も粘液のついているのもほぼ同じ。

違いは何であろうか?

 

腕の基部に違いがあるので、

そこに注目すれば同定しやすい。

 

何を隠そう、

僕もそれが分かったのは、2024年11月のことだ。

ごく最近まで、みなサンコタケと認識していた。

恥ずかしい。

 

本種もサンコタケ同様、

腐敗臭のある粘液で虫を誘引しているのであろう。

胞子の運搬のために。

 

 

 

 

 

サンコタケとヨツデタケの見分け方

 

 

左サンコタケ、右ヨツデタケ

 

 

托(腕)の数

 

サンコタケは3が普通(4以上もある)

ヨツデタケは4

 

 

 

托(腕)の基部

 

サンコタケは基部が1つでそこから腕が3以上に分かれる。

ヨツデタケは基部から4つ。

 

ヨツデタケ(2021年初見&不明菌) | きのこびと

 

 

 

腕の先

 

サンコタケは3つの腕が普通はくっついている。

そこに粘液がついている。

 

ヨツデタケは

くっついていたり、離れていたりする。

先にはやはり粘液がくっついている。

 

 

 

 

 

和名

 

ヨツデタケは「四手茸」と書く。

 

4つの托(腕)が出るので、

見た目の通りであろう。

 

 

 

 

 

 

現地の様子(’24/11確認個体で)

 

 

 

生えている環境

赤土の斜面でケホシダにおおわれている地面に

 

 

幼菌

白っぽくて径は2㎝ほど

 

 

ヨツデタケ

腕の長Sさは4-5㎝程度

 

 

全景

 

 

腕の基部ははじめから分かれている

 

腕の先はついていたり離れていたり

 

 

先端部には黒い粘液

かなりの腐敗臭

 

粘液の部分

 

 

 

 

 

 

 

見るには

 

コンスタントに見られるところはない。

発生する時期もしっかり認識できていない。

一期一会を期待するしかない。

 

ふつうは湿っぽい林内で出るので、

森・戦跡・山のツアーがチャンスあり。

ツアーで見つけたらご紹介する。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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