小笠原マルベリー

「進化という迷宮」(千葉聡)

 

 

概要

 

2025年5月発行、

「進化という迷宮」(千葉聡)。

『進化という迷宮 』(千葉 聡)|講談社

 

キーワードは、

「小笠原」「進化」「カタツムリ(陸産貝類)」。

これらのキーワードにひかれる人には必読の書。

 

タイトルのあとに

『隠れた「調律者」を追え』というサブタイトルがつく。

その調律者探しがテーマである。

 

著者はかつての師匠から、

「研究者なら論文を書きなさい。

 普及書はやめておけ。」と言われていた。

でも本書は、難しい内容を含みながらも、

普及書・一般書である。

他にも複数の著書がある。

 

読んでいると、

やはり難しいと感じるところもある。

それはやはり進化理論の説明部分である。

 

その難しい部分は、軽く読み飛ばしても、

意図が見えなくなることはないのでご安心を。

(再読するのも手である)

 

 

 

 

内容

 

 

キーワードは

「小笠原」「進化」「カタツムリ(陸産貝類)」。

 

カタツムリ(陸産貝類)を題材に、

進化の調律者を解き明かすのが本書のテーマ。

 

調律者の正体を早く知りたい方は

いきなり12章を読むといいだろう。

しかし、

普通の人はやはり初めから順次読むべきであろう。

(なかには、結論や落ちを知った上で、

 読むのが好きな人もいるだろう)

 

本文の流れは

著者の大学生から現在に至る研究人生の記述でもある。

僕は著者と年齢が近いせいもあり、

大学生時代に似た経験もしていて、そこはかなり共感した。

 

小笠原での研究調査の事例もかなり含まれる。

小笠原好きにはたまらないだろう。

 

進化理論の説明もかなり多い。

そこはやや難しく感じるところも多い。

(再読するのも手である)

 

個人的にうれしく思ったのは

エコツーリズムに言及されていたことである。

そういう活用も一案であるという提案部分があった。

保全・保護と観光は必ずしも対立するものではない。

(まさににやりようだ)

 

 

 

 

目次

 

はじめに

第一章 生命史の動画

第二章 旅のはじまり

第三章 自然の実験

第四章 シュタインハイムの奇跡

第五章 進化の速度と様式

第六章 湖底の財宝

第七章 生命の樹を探す魔法

第八章 ホビットと巨人 206

第九章 妖精と怪物

第十章 火山島

第十一章 緑のドラゴン

第十二章 貝と魔物

第十三章 未来への旅

 

参考文献

 

 

 

 

著者・千葉聡氏

 

小笠原でカタツムリの研究といえば、

千葉聡氏の名前がすぐ出る。

第一人者以上の方。

東北大学 研究者紹介 – 千葉 聡

千葉 聡|東北大学 大学院 生命科学研究科

 

本書でも、

かなり小笠原で事例が登場する。

 

また、調査研究だけでなく、

小笠原の自然関連の会議でも出席されている。

 

著者は、

本書以外にも複数の一般書の著書がある。

実は、

僕はこの本で初めて千葉氏の著書を読む。

 

 

 

 

参考記事

 

小笠原(父島)で比較的見つけやすい天然記念物

 

 

小笠原・硫黄島関連図書

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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