小笠原マルベリー

長女と長男の命名について(2005年寄稿文・再編集版)


 

 

概要

 

長女・千尋(ちひろ)と長男・旭(あきら)の命名について、

雑誌「島へ。」2006-1月号通巻27号への寄稿文です。

(原稿を書いたのは2005年11月ごろです。)

 

冒頭の写真は2013年ですので、

当時、長女14歳、長男9歳ぐらいです。

 

 

 

 

 

寄稿文

 

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小笠原・父島に暮らして、もう丸15年になった。

独身で移住して、島で妻と出会い結婚した。

そして今では2児のお父さんになった。

上の子は6歳の女の子で、千尋(ちひろ)、

下の子は2歳前の男の子で、旭(あきら)。

 

2人の名前は僕が決めた。

今風の名前とはちょっと違う。

でも千尋は

「千と千尋の神隠し」という映画がちょっと前にはやったので、

今風なのかもしれない。

先見の明があるのかも。

 

そうすると、

次は旭がブレークするかもしれない。

 

ところで、子供の名前は子供が選択できない。

物心ついたときにはもう呼ばれている自分の名前。

だから命名ははっきり言って親の責任だ。

親となる僕は、世間の親と同じように一生懸命考えた。

でも、字画についてはあまり気にしないことにした。

いろいろ面倒だから。

だからいいのかどうかも分からない。

 

でも2人とも健康ですくすく育っている。

 

ではなぜこの名前にしたのか。

僕は好きで島に住んでいる。

そして自分の子にも島に誇りを持ってもらいたい。

将来この子達は島を出るかもしれない。

でも、自分の名前に島の地名がついていたら、

絶対に島のことは忘れないだろう。

そういう浅はかな思いで、島の地名をつけることにした。

 

それから家に貼ってある海図とにらめっこ。

名前の候補は、

千尋、巽、旭、二見、潮見、玉名、納涼(すずみ)、万作など

いくつか候補があった。

 

上の子は女の子だったが、

男でも女でもどっちでも使える千尋にした。

見晴らしのいい絶景ポイントの

千尋岩(ちひろいわ・せんじんいわ)に愛着があったので

そこにちなんだ。

読みはちひろにした。

下の子は男の子で、

旭山から旭(あさひ)をいただいて、読みをあきらに変えた。

男っ子ぽくていいかなと思ったからだ。

旭山からの眺めもまたすばらしい。町が一望できる。

 

2人とも名前を考えてから、妻に相談した。

特に反対もなかった。

また身内からも反対がなく、すんなり決まった。

僕はいい名前だと思っているが、

子供たちは、将来自分の名前をどう思うだろう。

それが親として、心配だ。

誇りに思ってくれるといいな。

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現在の考え(2021年時点)

 

2021年時点で、

命名の時の考えはまったく変わっていません。

 

島を出る可能性の高い子供達。

内地での生活の中で、

命名の由来が話題になることもあると思います。

そんなとき、

島のことを思い出してもらえれば、親としては本望です。

 

さてどんなものでしょうか?

いずれ自分の名前をどう思って言るのか、

聞いてみたいと思います。

 

 

 

番外:屋号についても

 

屋号・マルベリーについて(2007年投稿・再編集版)

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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