シマツレサギの花・・わずかに芳香あり
目次
ツレサギソウ概要
’21年3月初旬、
シマツレサギ(シマツレサギソウ・ラン科・固有種)が開花しました。
花は総状花序に多数つけ、
下の方から順次咲き始めます。
3月初旬では
まだ花序の下の方がわずかに咲き出した程度です。
盛りの時期はまだしばらくあとになりそうです。
この花はわずかですが、芳香があります。
花に顔を近づければわかる思います。
本種は多年草で、
草丈は20-30cm程度のものをよく見ます。
果期が終わると、地上部は枯れてしまいます。
地下には肥大した根塊があるようです。
そして、冬場になると、また地上部に出てきます。
小笠原では父島・母島列島に分布します。
父島での分布や個体数は
それほど多くないように感じています。
現在、
本種は「種の保存法」指定植物となっています。
そこまでするほど個体数が少ないのかといわれると、
よくわかりません。
list_ESPA20210401.pdf (vill.ogasawara.tokyo.jp)
和名
シマツレサギは「島連鷺」と書きます。
サギソウ(鷺草)に似ていて、
1つの花序に多数の花をつけるから連(ツレ)です。
そして小笠原に自生するので島(シマ)がつきます。
花
花茎がのびて、総状花序をつけます。
花被片は6で、唇弁1・花弁2あわせて3、萼片3です。
唇弁・花弁はやや黄味があり、萼片は白いです。
花被片6(唇弁1・花弁2あわせて3、萼片3)は、
下向きの中央が唇弁1、斜め下向きの両側が側萼片2、
上向きの外側(白)が背萼片1,内側(黄色)が側花弁2です。
側花弁のさらに内側に蕊柱2があります。
距(きょ)
花の後ろ側を見ると、白く長い距(きょ))がついています。
蜜をためる場所のようです。
萼や花冠の基部から飛び出した部分が距(きょ)です。
距は後ろ側に2㎝以上あって、かなり長く感じます。
花の後ろ側を見ると、目立っているのがわかります。
食害
地上部がのびてきてしばらくすると、
なにかにかじられている事があります。
おおむねクマネズミの食害かと思います。
見るには?
父島ではルート沿いで見られるところは
限られています。
確実なのは東平で森歩きで紹介しています。
千尋岩ルートでもわずかに見られます。
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