小笠原のゲットウはハナソウカとキフゲットウ
目次
概要
4月頃から花期となっているゲットウ(ショウガ科・外来種)。
派手な花を多くつけ、よく目立っています。
ゲットウは
島内のあちこちに野生化して生えています。
水分条件のいいとろこに好んで生えています。
小笠原でゲットウといわれるものは
2種あります。
ハナソウカ(花草果)とキフゲットウ(黄斑月桃)です。
ハナソウカは、
八丈島、小笠原、大東に分布し、遺伝的に同じことから、
八丈島から小笠原に持ち込まれたと思われます。
キフゲットウは園芸種です。
草丈は2-3m程度までのびています。
葉や枯れ葉をちぎったり、こすったりすると、
独特の香りがあります。
この仲間は
成分が薬用利用されたり、飲用利用されたりしています。
また葉は蒸し物で使ったりもされます。
また花期には
生け花として飾られたりもしています。
和名
ゲットウは「月桃」と書きます。
由来を調べると、諸説ありました。
台湾での名称を、
日本語に当てはめて「月桃」としたとか。
葉が三日月の形で、花が桃の実に似ているから、
「月桃」となったとか。
ハナソウカは「花草果」です。
ソウカは
中国のショウガ科「草果」から来ているようです。
花が大きいので、ハナソウカとなったようです。
キフゲットウは「黄斑月桃」です。
葉に斑が入るゲットウということです。
ハナソウカについて
形態
道端で野生化している個体群
草丈は2-3m程度 時には3m以上にもなります。
花期には花序がのびてきます。
花と果実
花序がまだ苞葉に包まれている状態
総状花序につぼみが多数
開花は花序の付け根から順に
開花した状態
花は筒状花です。
花被片6(萼片筒状3裂、花弁筒状3裂)で、おしべ6、めしべ1です。
花被片はかなりわかりにくいようです。
目立つ唇弁はおしべの変化したもの。
ただし、おしべは6ですが、
外列3のうち1は消失、あとの2は唇弁の脇に付属片として残ります。
内側3のうち、下側2は唇弁になり、1だけが機能をもつおしべ。
おしべとめしべは融合して唇弁の上にのびて、
先端に柱頭、その根元側下面に葯がつく。
かなりわかりにくい花の構造ですね。苦笑
赤味を帯びた果実
中には小粒な種子がまとまる
見るには?
島内各所で野生化しています。
山中も、
戦前に人が住んでいたようなところには生えています。
ツアー中、見たりしたときは紹介します。
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