夜明・湾岸道路での自生植物(79)オオバシロテツ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどある。
1種類ずつ、
特徴や見られる場所を紹介していく。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(79)オオバシロテツ(ミカン科・固有種)
雌雄異株、常緑小高木(樹高10m程度まで)、
オオバシロテツ(ミカン科・固有種)。
花期は4-5月ごろで、小花を多くつける。
雌雄異株なので、
小花をよく見れば、雌雄が分かる。
比較的、分かりやすいのは、
めしべの柱頭である。
はっきりしていれば、雌株である。
父島での分布は広く、
山地のやや乾いた林内で見られます。
中南部に多い印象がある。
乾性低木林では、
普通、別種のシロテツが見られる。
シロテツとオオバシロテツは
同所にはほとんど生えていない。
そのため違いが分かりにくいかもしれな氏。
オオバシロテツの小笠原での分布は
父島列島、母島列島、火山列島とほぼ全域である。
このルート沿いでは
夜明山から傘山にかけてわずかに見られる。
小笠原でのミカン科自生種は5種。
うち4種が固有種で
本種、オオバシロテツ、アツバシロテツ、アコウザンショウ。
1種が広域分布種で、イワザンショウ。
種分化
種分化の事例として、
本種も含めた3種が紹介されている。
シロテツ、オオバシロテツ、アツバシロテツ。
最も分布が広いのがオオバシロテツ。
小笠原諸島全域に分布する。
シロテツ、アツバシロテツは
父島列島にのみ分布する。
アツバシロテツは
オオバシロテツの変種のようである。
これら3種は、
かつてはシロテツ属として独立属とされていた。
現在はアワダン属とされ、
小笠原ではムニンゴシュユも同じ属である。
和名
オオバシロテツは「大葉白鉄」と書く。
大きな葉のシロテツである。
シロテツは、樹皮が白っぽく、
材がかたいところからの由来のようである。
英語名は「white iron wood」、
そこからの日本語訳かもしれません。
(要調査)
生えている様子
林縁で生えている個体の樹形
樹高は4-5m
葉は対生
形は楕円形、前縁
シロテツより
葉が大きく、やや薄い感じがある
葉腋から円錐花序をのばし、
小花を多数つける
花は雌雄とも、4弁、おしべ4、めしべ1
雄株の花(雄花)
雄花は
おしべ4がはっきりして、めしべが退化気味
雌株の花(雌花)
雌花は
おしべ4が退化気味で、めしべがはっきりしている
柱頭は4裂
雌株は果実がつく
のち黒熟する
赤熟した果実(西島の雌株で見つけた)
めしべの子房は球形で4心皮からなる
1つの果実は4室あり、
種子は各室に1つ入っている
つまり1果実に4種子
径5mmほどで黒光りしている
見るには?
父島の高木性の山地で見られる。
ただし、目立たない樹種である。
乾性低木林内では、別種のシロテツが生え、
オオバシロテツはほとんどない。
目立たない樹種なので、
ツアーで紹介することはかなり少ない。
興味のある方はリクエストいただきたい。
各種ツアーで紹介はできる。
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