小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路での自生植物(80)タマシダ


 

 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどある。

1種類ずつ、

特徴や見られる場所を紹介していく。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

 

 

 

(80)タマシダ(シダ・ツルシダ科・広域分布種)

 

常緑で、葉が叢生し、

単羽状のタマシダ(ツルシダ科・広域分布種)。

 

父島では

わりと普通に見られるシダの1つ。

 

羽片が丸っこいので、タマシダと思いがちだが、

実はそうではない。

(後述・和名の項)

 

根茎から走出枝を出し群落を作る。

場所によっては

純群落となっているところもある。

匍匐茎 – Wikipedia

 

生えているのは地上が普通だが、

岩上、樹上にも生える。

 

明るい林内、草地などで群生して生える。

より明るいところでは、

ヤンバルタマシダと混成しているところもある。

 

夜明・湾岸道路での自生植物(81)ヤンバルタマシダ

 

小笠原での分布は

父島、兄島、母島、火山列島など。

(弟島は分布にない・要調査)

 

このルート沿いでは、

夜明道路(長崎~長谷)で、ところどころ見られる。

湾岸通りでは地上部にはないが、

擁壁沿いにわずかに生えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

和名

 

タマシダは「玉羊歯」と書く。

タマシダ – Wikipedia

 

一見すると、

羽片が丸っこいからのようだが、そうではない。

 

根に貯水の球(玉)をつけるのが由来。

地上には出ていないので、普通は見えない。

 

 

 

 

 

 

 

実際の様子

 

生えている様子

 

根際の様子 葉は叢生している

 

純群落で生えている様子

 

コンクリート擁壁に生える様子  境浦付近

 

 

葉は羽状

長さは葉身・葉柄合わせて50-100㎝ほど

側羽片は長さ5㎝ほど

 

羽片の縁にはゆるい鋸歯がある

先端は丸みをおびた円頭形が多い

 

 

葉軸には褐色の毛がつく

 

葉裏

 

胞子嚢群(ソーラス)は

中肋をはさみ羽片の両側の縁よりに1列で並ぶ

 

葉裏ソーラス部拡大

 

タマシダ(玉羊歯)のタマの由来となった球

 

貯水の役割のよう

サイズは2-3cmほどの楕円球形

ごく小ぶりなジャガイモのようです。

 

球は普通地面の中にあるので見えない。

地面が崩れたりしたところで探すと、

見つかるときがある

 

やんばるタマシダには球はない

 

 

 

 

 

 

ヤンバルタマシダとの比較

 

左 タマシダ  右 ヤンバルタマシダ

 

ヤンバルタマシダの方が

羽片が1.5倍くらい長い

 

タマシダの葉先は丸いが、

ヤンバルタマシダは尖り気味 

 

混成して生えるところもあるが、

ヤンバルタマシダがより明るいところに多い

 

 胞子嚢群は葉の縁に1列に並ぶが

ヤンバルタマシダのほうがより密に並んでいる。

 

夜明・湾岸道路での自生植物(81)ヤンバルタマシダ

 

 

 

 

 

見るには

 

父島の山地では各所で見られる。

道沿いにもある。

 

各種ツアーでも紹介できる。

興味のある方はリクエスト願う。

全ツアーメニュー

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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