「ドルジェル伯の舞踏会」(レーモン・ラディゲ、渋谷豊訳)
目次
概要
1924年発行、
「ドルジェル伯の舞踏会」(レーモン・ラディゲ、渋谷豊訳)。
ドルジェル伯の舞踏会 – 光文社古典新訳文庫 (kotensinyaku.jp)
ラディゲは早世したので、
2作しか著作をのこしていない。
著作のもう1作は「肉体の悪魔」。
本作品はラディゲの死後発行されている。
世に出たのは他者により、公正・編集されたものだ。
だが、より原文に近いものも残されている。
この訳本は原文に近いものからのようだ。
本文は250ページほどの文章で、
一日もかからず十分読める。
100年ほど前のフランスの社交界が舞台で、
そのころの貴族社会の様子もよくわかる。
内容
不倫の話といえるかどうかは微妙なところ。
ほとん実行には至っていない。
不倫となる間柄だが、プラトニックな関係に近い。
独身の男性(フランソワ)が惹かれた女性は
ドルジェ伯の夫人・マオ。
ドルジェ伯はタイトルにもなっている。
フランソワやマオの心の動き・葛藤が
よく描かれている。
現代人なら、
読んでいてじれったく感じる部分もあろう。
物語では
マオが最後に吹っ切れた形となっている。
ただし、
その後の行動は余韻を残すのみで、想像するしかない。
書かれていない、
その後の結末はどうなっているんだろうか?
参考
図書 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
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