小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(88)ムニンイヌグス


 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどある。

1種類ずつ、

特徴や見られる場所を紹介していく。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

 

(66)ムニンイヌグス(クスノキ科・固有種)

 

常緑小高木の

ムニンイヌグス(クスノキ科・固有種)。

 

おもに低木~小高木性林で自生する。

林縁や道路沿いでも見られる。

 

コブガシとムニンイヌグスはかなり似ている。

(見分けは後述)

 

クスノキ科の花の特徴かもしれないが、

本種も、花は小さく、かなり地味。

 

小笠原の分布は、父島、兄島、母島など。

父島では

小高木~低木性の林内全域で見られる。

 

このルート沿いでは、

夜明道路沿いの低木~小高木エリアで見られる。

 

 

 

 

 

種分化

 

小笠原でクスノキ科タブノキ属は、

本種、ムニンイヌグス、テリハコブガシなど。

(見解により、種の分類の差異はあるよう)

いずれも固有種。

untitled (ogasawara-info.jp)

 

 

夜明・湾岸道路での自生植物(87)テリハコブガシ

 

主な分布としては

ムニンイヌグスが明るい林内や林縁、

コブガシが高木林、

テリハコブガシはより湿り気の多い高木林となる。

 

とはいえ、

同所的に生えている場所もある。

 

 

 

 

 

和名

 

ムニンイヌグスは「無人犬楠」と書く。

 

小笠原(無人島)に自生するイヌグスの意味。

 

イヌグスは

クスノキより劣るというような意味合い。

 

イヌグスはタブノキのこと。

タブノキ – Wikipedia

 

 

 

 

 

生えている様子

 

 

林縁の個体

低層で枝がのびている様子

 

 

葉は互生し、枝先に集中する

葉の先はやや尖り気味

葉に毛がほぼない

 

葉裏は白っぽい

 

花は淡黄緑色、花被片6、

おしべ9、仮おしべ3、腺体6,めしべ1

 

 

花の拡大

花被片6、おしべ9、仮おしべ3、腺体6、めしべ1

 

この画像でも

それぞれの区別はわかりにくい

 

 

 

 

 

 

 

コブガシとムニンイヌグス

 

コブガシとムニンイヌグス(固有種)は

わりとよく似ています。

 

葉を比較すると、

コブガシは毛がざらざらしています。

 

さらに葉の形が

コブガシは全体に丸みを帯びています。

葉の先端部も丸みがあります。

 

一方、

ムニンイヌグスは葉に毛がありません。

また形もやや細めで、先端部もとがり気味。

 

ただし、

どちらか紛らわしいような個体もあります。

 

 

コブガシの葉

縁は全縁、形は長楕円形~卵状長楕円形、 

葉先は鈍形

表裏とも触るとざらざらする

 

ムニンイヌグスの葉

縁は全縁、形はコブガシよりやや細め 

葉先はやや尖る

表裏とも毛がほぼ生えていない

 

 

 

 

 

 

ツアーでは

 

ムニンイヌグスは、目立った特徴も少ないので、

めったに紹介していません。

花も地味なので、花期も同様です。

 

興味のある方はリクエストして下さい。

個体数は多いです。

 

各種ツアーで紹介できます。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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