小笠原マルベリー

「花神 」(司馬遼太郎)


 

 

概要

 

1972年発行、

「花神 」(司馬遼太郎)。

*文庫は上・中・下(全3巻)。

『花神〔上〕』 司馬遼太郎 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

花神 (小説) – Wikipedia

 

主人公は大村益次郎(村田蔵六)。

*本文ではほぼ村田蔵六。

*地元では良庵とも

大村益次郎 – Wikipedia

 

物語は、

蔵六が医学を学び始めたころ(16-17歳)から、

刺客に襲われそれがもとで亡くなるまで。

 

蔵六は百姓医から始まり、

最期は官軍の軍事統率者であった。

そこに至る紆余曲折が描かれる。

 

彼は徹頭徹尾、技術者であった。

医者としても、軍においても。

 

著者によると、

革命期に登場する技術がどういう意味があるか、

それが主題のようなものとのこと。

 

江戸で彰義隊との戦いにおいて、

火事の計算や軍事金がなかったことなど、

この小説で知りえたこともある。

 

 

 

 

 

タイトル「花神」

 

中国では、花神とは花咲爺のこと。

本文では、

「蔵六は花神のしごとを背負った。」とある。

 

蔵六は技術者として革命の仕上げ段階の人。

その象徴として花神という表現を使ったのだろう。

 

しかし、

彼も刺客に狙われ、それがもとで命を落とした。

そのため、仕上げを見ることはなかった。

 

のちに西南戦争が起こったが、

彼によって準備は整っていた。

さすがとしか言いようがない。

 

 

 

 

大村益次郎

 

 

花神では

医者、軍それぞれの技術者として徹底している。

政治家ではない。

 

ある意味、面白味のない人物である。

 

しかし、出てくる人物との対比で読むと、

技術者の本質がより浮き出てきた面白くなる。

 

女性関係では、地元には妻がいたが、

シーボルトの娘・イネとの関係も盛り込まれる。

 

 

 

 

革命期

 

著者による革命の3段階。

 

思想家・・・非業の死をとげる

例・・吉田松陰

 

戦略家・・天寿を全うしない

例・・高杉晋作、佐合隆盛など。

 

技術者・・軌道にのせていく

例・・大村益次郎

*大村は自信は道半ばで刺客に襲われた

 

 

 

 

 

参考

 

 

「世に棲む日日 全4巻」(司馬遼太郎)

 

「アームストロング砲(新装版)」(司馬遼太郎)

 

 

「峠(上・中・下)」(司馬遼太郎)

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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