小笠原マルベリー

「小笠原物語」(青野正男)


 

概要

 

1978年発行、

「小笠原物語」(青野正男)。

小笠原物語(青野正男著) / 「日本の古本屋」

小笠原物語 | NDLサーチ | 国立国会図書館

 

 

 

著者は1900年(明治33年)父島生まれ。

 

小笠原での経験は、

中学で島を出るまでとその後の帰省など。

また1942年からは

硫黄島での農場経営にも従事していた。

 

本書では

おもに戦前の父島、硫黄島が紹介されている。

あとがきによると、

回顧談、紀行文、解説めいたものということである。

 

著者は

1973年(昭和48年)に硫黄島、父島を訪れている。

返還後の島の変貌についても述べられている。

 

著者は農業が専門であるので、

植物についてははかなりページを割いている。

自生種、園芸種・栽培種ともに。

 

 

 

 

 

本文から

 

気になる点をいくつか。

 

海岸林:

大村地区は種子を播種して復活へ。

*現実は・・・

 多少はあるが、結果としてはそうならなかった。

 

 

ガジュマル:

防風林ではなかった。

かつては耕作地防風林があった。

*ガジュマルは、まだそれほど大きくはないが、

 日陰樹にはなったであろう

 

海岸に広く分布:

ハマゴウ、クサトベラ、ハマナタマメ、

グンバイヒルガオ、シロツブ、ハスノハギリ、

テリハボク、イチビ、デイコなど。

*デイコはいまでは外来種とされる

 

外来植物:

すでにジュズサンゴの記載もある

*現在、南島で爆発的に広がる知々井JマのチT島

 

 

デリス:

1927年(昭和2)より、支庁の指導で、

青野農場で試作

*現在は戦前の耕作地跡などで野生化

 

ジョセフ・ゴンザレス氏:

1892年(明治25年)、

神戸英国伝導学校卒業し、牧師に。

*子孫が小笠原教会牧師を継いでいた

 

父島は役所が多い:

役所や公共の施設が多かった。

:今も変わらない

 

1923年(大正12年)製氷工場できる:

同年、捕鯨の事業所も(清瀬)

*製氷工場は、現在の海洋センター敷地奥

 

1918年(大正7年)津波:

清瀬はかなりの津波が来た

二見岩とおでこの鼻が急潮で激流に。

*戦後二見漁港の防波堤ができた。

 そこが一層狭くなったので、 大津波が来ると、

 清瀬・奥村はかなりの勢いになるかも。

 

1973年夜明山の電電公社送信所鉄塔建設中:

かなり前に撤去。周辺オフェンスは残る。

*現在の夜明平の指定ルート「村民の森」は

 大部分がこの鉄塔の場所

 

 

 

 

 

略歴

 

著者は1900年(明治33年)父島生まれ。

のち、中学からは内地の学校へ。

 

その後、帰省などで島に戻ることもあった。

略歴によると、

1942(昭和17)硫黄島、台湾で農場経営とある。

強制疎開で小笠原を離れたのであろう。

 

その後は、北海道で暮らす。                     

返還後は、

1973年(昭和48年)に硫黄島、父島を訪れている。

 

1977年亡くなる。

 

 

 

 

目次

 

はじめに

航海

美し国春夏秋

二見港とその周辺

原始境をもとめて

特有の岩石と化石と赤い土

特色ある植物と動物

隆起を続ける硫黄島・その風物

農業のうつりかわり

熱帯植物への期待

海の風物詩

人と生活

工芸品その他

開拓の碑秘話

異変

南をひらいた船

戦後の情況

変換・小笠原村の発足

変貌の硫黄島

よみがえる故郷

 

青野正男君を悼む

青野さんと小笠原

あとがき

 

 

 

参考

 

 

小笠原・硫黄島関連図書

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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