新装版「箱根の坂 上・中・下」(司馬遼太郎)
目次
概要
1984年発行、
「箱根の坂」(司馬遼太郎)。
(文庫は 新装版上・中・下全3巻)
伊勢新九郎(北条早雲・北条庵宋瑞)の生涯を描く。
早雲は前半生があまりわかっていない。
著者は
「小さな破片を集め・・・造形した」という。
歴史的には
北条早雲は後北条家の初代。
領国経営を始めた人物で戦国のさきがけ。
早雲はかなり長生きした。
88歳で亡くなる。
内容
物語のはじめは、
のちに早雲の配下となる人物のことから始まる。
早雲は京で鞍作りをしていた。
そのころ
義妹・千萱(のちの北川殿)が駿河へ嫁入り。
北川殿の婿・今川義忠が亡くなったのち、
早雲は駿河へ。
興国寺城主になってから、領地経営を行うようになる。
興国寺城主経て、伊豆さらに相模を平定した。
早雲はかなり長生きした。
京に長くいて、駿河から先は40代半ば以降となる。
相模を平定したのは85歳のときで、
その後、88歳で亡くなる。
長命な早雲ゆえ、
物語もじっくり書かれていて、3巻にわたる。
生涯にはいくつかの戦いがある。
戦いそのものよりも、
そこに至るまでの経緯の方がより詳しく描かれる。
まさにじっくり方の人生であった。
タイトル:箱根の坂
早雲が箱根の坂を超え、
小田原などを領地としたのは晩年である。
京、静岡、伊豆を経てのこと。
早雲が箱根の坂を超えることで、
領国制が始まり、戦国時代の幕開けとなった。
著者はあとがきで、
「さまざまな象徴性をこめてつけたつもり」という。
「早雲は越えがたき坂を超えたのだと思った」とも。
税
税については、早雲の手法は参考になる。
早雲は領地の税を安くして、
民の生活を楽にさせている。
それは早雲への信頼ともなっていた。
早雲自身は質素な生活をしていた。
たしかに、税が安い方が、
可処分所得も増え、活気が出るであろう。
(日本は貯蓄する方も多いだろうが)
受け売りだが、
過去に、税を安くしてつぶれた国はないという。
(真偽は不明)
現在の日本は、
何かと税をつけて、重税感がある。
国民は負担にあえいでいる。
日本の為政者も
こういう本を読んでよく考えてほしいと思う。
今後の日本はどうなるのか?
参考:司馬氏作品
次の記事へ