小笠原マルベリー

父島でも自生のトサカメオトラン

 

 

概要

 

父島で自生していた、

広域分布種のトサカメオトラン(ラン科)。

琉球の植物「データベース」 :: 国立科学博物館 

Microsoft Word – H203_tosakameotoran.docx

トサカメオトラン

 

地上性のランである。

 

分布は東南アジアなどの海外や

国内では沖縄県(沖縄島周辺や八重山など)。

分布はかなり広い。

 

小笠原では、

母島列島の向島で自生しているのが記録されていた。

小笠原諸島で発見されたラン科植物種トサカメオトラン

 

そして、

今回(’25/8月)、父島でも自生が確認された。

8月初旬、開花もしていた。

いつから自生しているのかは不明。

(今後要調査)

 

 

 

 

父島での自生について

 

’25/8月初旬、

島の人から情報を得て、現場に出向いたところ、

数十の株が見つけられた。

 

そのうちのいくつかは開花もしていた。

 

僕が本種を見たのはこれが初めて。

もちろん花もだ。

 

場所については

集落エリアの山地の樹林とだけしておこう。

環境としてはそれほど湿っぽい林内ではない。

 

なお本種はネット検索では、

苗での販売がなされている。

トサカメオトランの苗:苗販売『ワイルドプランツ・エルブ』

 

生えている環境も集落エリアにほど近いので、

人為が影響している可能性も否定できない。

(今後要調査)

 

 

 

 

 

 

和名

 

トサカメオトランは「鶏冠夫婦蘭」と書く。

 

トサカ(鶏冠)は

花茎の先が下垂している様子から。

メオト(夫婦)は

花茎と葉茎とが並ぶ様子から。

(他に説があるかもしれな)

 

そのような特徴のあるラン科植物。

 

 

 

生えている様子

 

開花している個体全景

 

複数個体が開花

 

花茎の先が下垂している

 

 

葉茎と花茎が直立しているところを

夫婦に見立てたよう

 

葉だけが出ている株

 

総状花序に多くの花をつけ、

順次咲き始める

 

花色は白

(やや紅色を帯びるものもあるよう)

 

   

花の中央部に見える茶色の突起が、

蕊柱(ずいちゅう)

*蕊柱:おしべ・めしべが融合したもの

 

花は白、花弁3(唇弁1・花弁2)、萼片3

下側は唇弁1が中央、その脇に側萼片2、

上側は両側に側花弁2、中央に背萼片1

 

唇弁は船形で上面に紫条があり、

基部中央に黄色の突起がある

唇弁の上側に蕊柱(ずいちゅう)

 

 

 

 

 

 

参考記事

 

小笠原で見られる維管束植物(種子植物・シダ)

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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