「昭和16年夏の敗戦」(猪瀬直樹)
目次
概要
1983年発行、
「昭和16年夏の敗戦」(猪瀬直樹)。
昭和16年夏の敗戦 新版 -猪瀬直樹 著|中公文庫|中央公論新社
実際に日本が降伏したのは昭和20年8月。
昭和16年夏は、総力戦研究所によって、
「日米戦日本必敗」という結論が出た時期。
だから「昭和16年夏の敗戦」なのであろう。
この本では
東條英機と総力戦研究所とが絡み合いながら描かれている。
東條氏の言動・思想については、
他にも語られる本が多くあります。
なので僕もそれなりに知っていた。
しかし、総力戦研究所というものを、
しっかり書かれている本を読むのはこれが初めて。
組織にしがらみのない研究所員が、
模擬内閣を構成す。
与えられた課題に対して最終的な結論が、
「日米戦日本必敗」。
これをそのままほんとうの政府が採用していたら、
戦争はなかったかもしれない。
しかし世の中には空気やしがらみがたくさん。
そのまま戦争に突入。
結果は研究所の結論通りに。
目次
プロローグ
第1章 三月の旅
第2章 イカロスたちの夏
第3章 暮色の空
エピローグ
あとがき
巻末特別対談
(文庫本の目次)
猪瀬氏の言葉
猪瀬氏は文庫本の巻末対談で、
「日本の意思決定に欠けているのは、
今も昔も、ディテールの積み重ね」
*対談相手は勝間和代氏。
「この作品でディテールを積み重ねれば、
真実にたどりつくという希望を語りたかった」
と述べている。
そのあたりは彼の生き様にも現れていると思う。
ただし、
都知事のときはうまくいかなかったが・・・
参考記事
’25/8月、
映像化されて番組となるようだ。
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