オオコウモリウォッチングガイドライン(2004年制定・再編集版)
目次
オオコウモリウォッチングガイドライン(2004年制定・再編集版)
概要
小笠原村観光協会のオオコウモリの会を中心に決めた
オガサワラオオコウモリのウォッチングに関するガイドラインです。
オオコウモリの会はガイド部ナイトツアー業者で構成されるメンバーです。
ガイドラインは2004年に制定されました。
内容
<合意事項>
オオコウモリの保全に寄与するよう努める。
業者同士の連携を取りながら、お互い配慮して行動する。
オオコウモリや野生動物にできるだけ配慮した形で行動する。
<ガイドライン>
ライトについて
探すのはガイドのライトのみ。
安全上、参加者が足元を照らすのはよい。
見つけたら弱い光あるいは赤い光を用いる。
使い方は当面ガイドの良識で。
ストロボ撮影について
1カット限定にする。
ガイドの判断で状況のいいときに。それ以外には基本的には撮影しない。
高いところにいるときなど無意味な撮影しない
人数について
おおむね1スタッフ10人程度まで。
グループのバッティングしたときは同時に1ライトでみるか、時間をずらす。
音について
見るとき・探す時は静かに
民家が近くにあるところでは静かに行動する。
餌付けについて
絶対にしない
私有地の利用について
必ず許可を得る・対価を払うなどで、トラブルを防ぐ方策を講じる
許可のない場所は絶対に立ち入らない。
農業センターの利用について
舗装からはずれない。
利用区域以外は立ち入らない。
安全管理を徹底する。危険箇所には立ち入らない。
園内に車を入れない(駐車場などの利用)
東京都施設であることを伝える
夜間に園内にオオコウモリが来る理由や生態についての説明する
丸山トンネルについて:
車の駐車場所
トンネル付近は危険なので、扇浦側の欄干付近でとめること。
安全管理の徹底
道路にはみ出さないよう注意する。
バッティングした場合 お互い配慮しながら見る。
昼間のねぐらについて
冬季の集団ねぐらはコウモリに与える影響が大きいので絶対に立ち入らない。
またほかの時期もできるだけ控える。
以上
小笠原村教育委員会より 村民向けの広報
その1
・夜間の観察は、懐中電灯の点灯を少なくし、少人数で静かに観察しましょう。
・私有地での観察はやめましょう。
・昼間は休息地にいますが、特に冬季の集団休息地へは立ち入らないようにしましょう。
・傷病個体を見つけたときは、近寄らずに下記までご連絡ください。
鋭い歯と爪を持っているため、近寄ると目などを傷つける危険性がありますので、十分ご注意ください。
連絡先:教育委員会 2-3117 平日日中 2-3111 休日 夜間
その2 2004-11月
オガサワラオオコウモリの繁殖期
12-4月にかけて集団で活動する冬ネグラを形成し、繁殖活動を行います。
特に扇浦地区は高密度に生息しているとても貴重な地域です。
ネグラが形成されている森に侵入することは、ネグラの放棄や繁殖行動を阻害するなど、
種の保存を脅かす非常に危険な行為となります。
・ネグラには決して近づかないでください。
・オオコウモリには絶対に触らないでください。
・昼間は休息をとって寝ていることが多いので、偶然にも接近してしまった場合は、
起こさないように、静かにその場所から離れてください。
・事故などにあったオオコウモリを発見した場合は、速やかに教育委員会までご連絡ください。
・犬・猫の放し飼いはしないでください。
連絡先:教育委員会 2-3117 平日日中 2-3111 休日 夜間
制定の経緯
2004年当時、僕がこの会の代表でした。
2004年に制定したこのガイドラインですが、
発端は亜熱帯農業センターの夜間立入制限を打診されたことから始まります。
当時、農業センター展示園の一部で、地面の陥没が起きていました。
観光業者が夜間にナイトツアーで立ち入ると危ないということで、
制限が打診されました。
オオコウモリのウォッチングには農業センターは必須の場所でした。
そこで、夜間利用のルールを提案することで、協議した結果、
ナイトツアーでの夜間利用が認められました。
利用する事業者は、毎年、年度初めに、年間利用の申請をしています。
2020年時点で、ガイドライン改訂作業が行われています。
(代表者は別な人に変わっています)
この頃、
ナイトツアーがらみで、ウミガメ、グリーンペペなどのことも決めました。
ツアーでは
自主規制やガイドラインもあり、日中のねぐらでの観察はできません。
オオコウモリの観察は夜間のみとなります。
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