『出孤島記』(島尾敏雄)
目次
『出孤島記』(島尾敏雄)
概要
『出孤島記』(島尾敏雄)
島尾敏雄 『出孤島記』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)
全9編です。タイトル「出孤島記」は戦記文学です。
他の作品は、戦記物(「朝影」「夜の匂い」)とそうではないものとあります。
出版社の説明文では、
「南海の孤島にたてこもり、
ベニヤ板で作られた“自殺艇”による絶望的な特攻作戦に従事する若い指揮官と180名の部下たち。
死の呪縛のなかで出撃命令を待つ彼らの一触即発の極限的な状況を、
人間の生と死の本質を見据えつつ、
緊迫した文体と重いリアリティで捉えた戦記文学の名作「出孤島記」他、
「格子の眼」「砂嘴の丘にて」「朝影」「夜の匂い」「子之吉の舌」「むかで」
「冬の宿り」「川にて」。島尾文学の傑作全9編を収録。」
感想
戦記物については、決して面白いものではないのですが、
当時の複雑な心情がよく出ていると思います。
複雑な心情は島尾氏の性格によるところもあるのだと思います
戦記物はほぼ島尾氏の体験に基づくものです。
著者は実際に加計呂麻島の震洋隊長として配属されていました。
結局、出撃はありませんでした。
そんな中で、隊長という特権?をうまく使って、地元の女性に恋をしていました。
(実際にその人と戦後結婚)
戦記物ではない島尾氏の作品は
屈折した感情がにじみ出ていてそれほど好きになりません。
僕の感性ではあまりうまく受け止められません。
正直言うと、あまりおもしろく感じませんでした。
既読の島尾作品
「震洋発進」(島尾敏雄): マルベリーの日記&小笠原情報箱 (seesaa.net)
前の記事へ
次の記事へ