「硫黄島」(石原俊)
目次
概要
2019年1月発行、
「硫黄島」(石原俊)。
サブタイトルは「国策に翻弄された130年」。
硫黄島、
読みは「いおうとう」です、念のため。
本書は
著者・石原俊氏から送っていただきました。
あとがきにも、
僕の名前を入れていただきました。感謝です。
石原氏とは以前から面識があります。
返還50周年記念誌:
「原色 小笠原の魂-The Spirit of Ogasawara Islands」では、
執筆者(僕)と監修(石原氏)という関係でもありました。
本書は、
硫黄島の通史がしっかりまとめられています。
わずか130年ほどの歴史しかない島ではありますが、
国策に翻弄された島です。
目次
「はじめに」
第1章:発見・領有・入植・・・面白い
第2章:プランテーション社会の諸相
第3章:強制疎開と軍務動員
第4章:地上戦と島民たち
第5章:米軍占領と故郷喪失
第6章:施政権返還と自衛隊基地化
終章:硫黄島、戦後零年
「あとがき」「主要参考文献」
内容
僕は小笠原に住んでいるので、
それなりに硫黄島の歴史を知っています。
だから、
一般の人と注目する視点がやや違います。
僕が気になったのはプランテーション開発。
小笠原と硫黄島でも違いがあります。
小笠原群島はまず外国人の定住があり、
明治政府直轄だったこともあるのか、
個人が開拓し、自作農になっていました。
つまり、
プランテーション型の開発にはなりませんでした。
ところが遅れて開発された硫黄列島・大東諸島は
プランテーション型に。
これは、
特定の個人・事業者が予約開墾の制度を利用し、
政府から払い下げがを受けることができたためです。
そこに目を付け大規模に開発する人がいた、
ということも大きいですね。
硫黄島は、
大地主・硫黄島産業以外は小作ばかり。
戦後、大東諸島は、
小作人に所有権が認められています。
しかし、
帰島ができない硫黄島はいまだ所有権はありません。
返還後も軍事的に利用し続けている政府としては、
地主が少ない方が楽なのは間違いないですね。
ちなみに、
日米地位協定で米軍の使用区域があります。
「硫黄島通信所」という名称です。
滑走路も含まれ、米軍は利用することができます。
参考資料:硫黄島
石原氏著書紹介
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