夜明・湾岸道路での自生植物(37)メヘゴ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、
主には見られた順に紹介していきます。
(37)メヘゴ(シダ・ヘゴ科・固有種)
メヘゴは
父島のみ分布する低木性木生シダです。
(母島在住の方情報で母島にもあるとのこと)
木のように幹のあるシダを、
木生(あるいは木性)シダといいます。
木生シダというと、背丈の高いイメージがありますが、
メヘゴはせいぜい3-4mまでの低木性です。
小笠原で木生シダは4種あります。
うちムニンエダウチヘゴは
南硫黄島だけに分布する固有種です。
他の3種は小笠原群島に分布し、
父島では3種とも見られます。
3種のうちマルハチ・メヘゴが固有種で、
ヘゴは広域分布種です。
メヘゴは父島のみ分布します。
(母島あるとのこと)
この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、
夜明道路沿い(中央山付近)で数本見られます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
和名
メヘゴは
「雌桫欏あるいは雌杪欏」と書くようです。
ヘゴの語源は不明ですが、
奄美群島や南西諸島によく見られるので、
その地方の方言であろうかと想像します。
メヘゴは、小さいヘゴという意味で、
メ(雌)がついたのでしょう。
小笠原では、
高木林内の日陰に生えることからか、
「ヒカゲヘゴ」とも言われてしました。
ただし、
ヒカゲヘゴという和名のシダがあるので紛らわしいです。
実際の様子
歩道沿いの説明板
生息地は、日中でも、日があまりささない、やや薄暗い高木林内です。
群生するのが普通です。
背丈は1-2mが普通で、3-4mになるものはまれです。
幹にはマルハチと違い葉柄痕が残ります。
葉柄ははじめ薄緑ですが、のちに紫黒色になります。
葉は2回羽状複葉です。
葉柄は紫黒ですが、葉がつく羽軸は薄緑色です。
葉の裏に丸っこいソーラス(胞子嚢群)をつけます。
胞子嚢群は2列(主脈の両側に1列ずつ)でつくことが多いです。
ソーラスを包む包膜はありません。
見るには?
夜明道路沿いの山中で見られます。
湿っぽい高木林にあるので、森歩きで紹介します。
中央山や旭山の歩道沿いでも生えています。
中央山は景観ツアーで寄ることもあります。
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