小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路での自生植物(19)マルハチ


 

夜明・湾岸道路での自生植物(19)マルハチ

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。

 

 

(19)マルハチ(シダ・ヘゴ科・固有種)

 

マルハチは木生(木性)シダです。

 

 

木生シダは小笠原には4種あり、父島では3種が自生しています。

3種はマルハチ(固有種)、ヘゴ(広域分布種)、メヘゴ(固有種)です。

いずれもこの道路沿いで見られます。

火山列島ではムニンエダウチヘゴ(固有種)があります。

 

 

木生シダは湿性環境を好むので、普通は高木林内に生育しています。

マルハチは樹高が10Mを越すものもあります。

 

このルート沿いでは中央山付近から長谷にかけてで見られます。

 

 

 

 

和名

 

 

和名は「丸八」と書きます。

由来は、樹皮の葉柄痕の形からです。

楕円で、その中に逆さの八の字ようになっていいます。

 

 

 

樹形と葉

 

幹は通直というほどではなく、多少湾曲などしながらも

高くのびていきます。

前述の通り、10M以上にまでのびます。

 

葉柄は放射状に広がっていきます。

 

ソーラス(胞子嚢群)は小羽片裂片に円形で2裂に並んでつきます。

 

 

 

新芽

 

 

出てきたばかりの新芽は薄茶色の毛でおおわれています。

 

葉柄がのびだして、先端部に葉になる部分が丸まっています。

その後さらに吹き流しのようにこの部分がのびて、葉が出てきます。

 

 

 

幹の中(維管束部分と中心部分)

 

 

枯れたばかりの幹の中心部は白いかたまりで埋まっています。

この部分は腐ってしまうのか、早いうちになくなってしまいます。

 

 

 

その後は中は空洞になり、表皮と維管束になります。

木生シダも段ボールと同じような構造で、強度を上げているんですね。

 

 

 

利用

 

幹の模様が特徴的なので、化粧柱として利用されています。

父島で丸丈(寿司割烹)さんで現物が見られます。

 

 

 

 

ツアーでは

 

高木林内に生えているので、おおむねほとんどのツアーで紹介できます。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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