夜明・湾岸道路一周での自生植物(43)ムニンビャクダン
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類ずつ順に紹介していきます。
(43)ムニンビャクダン(ビャクダン科・固有種)
5月ごろから花期を迎える半寄生植物のムニンビャクダン。
花はわずかに芳香があります。
樹高は2-3mぐらいまでの低木です。
周辺のシマイスノキ、シャリンバイ、テリハハマボウなどに
半寄生しているようです。
根茎でつながっているので、
見ただけではどの個体と半寄生かはわかりにくいです。
分布は父島と母島です
父島では個体数も少なめで、低木性エリアに分布します。
ただし、長崎や旭山付近では、
道路沿い、歩道沿いにもあって、見つけやすいです。
このルート沿いでは、長崎付近で数本あります。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
小笠原でビャクダン科自生植物は
本種とヒノキバヤドリギ(広域分布種)の2種のみです。
また国内でビャクダン属自生植物は本種のみです。
遺伝的な系統としてはポリネシア系です。
untitled (ogasawara-info.jp) (29ページ)
和名
ムニンビャクダンは「無人白檀」と書きます。
小笠原に産する(ムニン・無人)ビャクダン(白檀)です。
白檀の語源は不明です。
センダンの記事でも書いていますが、
「栴檀は双葉より芳(かんば)し」ということわざは、
栴檀は香木のビャクダンをさしています。
中国ではビャクダンを栴檀とよぶことがあるようです。
「優れた人物は幼いときから優れたものを持っている」ということです。
花
花期には集散花序がのびます。
かなり小ぶりな花でわずかに芳香もあります。
淡緑色4弁、おしべ4、めしべ1です。
おしべの葯はそれぞれ2室になっています。
めしべの柱頭は3裂です。
葉
葉は対生で、楕円形
葉の表面はつやがあります
葉の色がまわりの他の種と少し違う緑で
見分けがつきやすいです。
生え方
この個体は樹高3mほどと大きめです。
株立ちになることが多いように思います。
見るには?
長崎と旭山が見やすい場所です。
どちらもご自分で行くことができます。
長崎は景観ツアーや森歩きで、旭山は森歩きで訪れます。
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