小笠原マルベリー

陸軍第百九師団司令部壕(長谷)


 

陸軍第百九師団司令部壕(長谷)

 

概要

 

長谷に残る第百九(109)師団の司令部壕と言われるところ。

掘られた当時は、混成第一旅団司令部だったようです。

硫黄島が玉砕ののち、第百九師団司令部となりました。

 

この場所は、

所有者の意向で、現在は訪れることができません。

 

かつて、長谷トンネルができる前に使っていました。

一番最後に訪れて20年ぐらい経ちました。

写真はそのころのものです。

ポジをデータ化したのですが、色があまりよくありません。

今後、機会があれば、きちんと撮影したいです。

 

この壕は

全長200mほどあり、出入り口も複数あります。

壕の通路と高低差のある出入り口もあります。

壕内には複数の部屋も作られています。

 

1箇所の出入り口付近に、

かまど、貯水槽、浄化槽などがあります。

 

貯水槽の壁に文章が刻まれています。

貯水槽を塗った方の所属と氏名が記載され、

従軍記念としてということです。

 

 

 

 

 

 

実際の様子

 

奥が貯水槽 その壁に刻まれた文章

 

「要塞建築勤務

 第五中隊第二小隊

 第三分隊第一班

 陸軍一等兵山岡由夫

 右之者昭和十九年十二月二十日

 大東亜戦従軍記念トシ

 テ本貯水槽並ニ浄化槽ヲ塗ル」

 

*なお原文では貯水槽は貯水漕

 

 

内部側には山岡氏の出身地などが記載されています。

 

「宮崎県

 東臼杵郡

 南方村細見

 山岡由夫外三名

 右ノ者

 昭和二十年二月五日

 之ヲ塗ル

 同県人

 大字末吉

 落合 廣

 鹿児島県

 留地 房*(*は不明)」

 

*なお漢字は、氏名以外は、現在の当用漢字に直しています。

 

 

かまど

 

 

 

 

見るには?

 

現時点(2021年)では、

所有者の意向で、訪れることができません。

もちろんツアーでも訪れていません。

 

どうしてもという方は個々におたずね下さい。

近くに所有者の住宅・農地があります。

 

小笠原・父島の戦跡

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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