夜明・湾岸道路での自生植物(61)マツバラン
目次
初めに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類ずつ、特徴や見られる場所を紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(61)マツバラン概要
マツバラン(マツバラン科・広域分布種)は
小型の常緑着生シダ。
樹上や岩の隙間に着生して生えています。
林内では、普通、樹上着生が見られます。
木性シダの不定根上に生えているのも
見かけます。
本種は、
葉も根もなく、茎だけがのびています。
茎は
根茎と地上茎(地上部のもの)と分かれます。
地上茎が、一見すると、
和名の通り、松の葉のように見えます。
マツバラン(松葉蘭)とは?その特徴や増やし方などの育て方を紹介!
小笠原での分布は
小笠原諸島全域で見られます。
この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、
夜明道路の擁壁・岩場などで生えています。
樹上につくのも、
夜明道路沿いではわずかしかありません。
ただしこれは分かりにくいです。
小笠原で、
マツバラン科植物は本種のみです。
国内でも、
マツバラン科植物は本種のみのようです。
和名
マツバランは「松葉蘭」です。
松の葉のような形をしたラン(科)に似た植物
という意味でしょうね。
シダですが。
余談ですが、
ラン科ではないのにランとつくシダ植物は
それなりにあります。
本種以外にも、
ホソバクリハラン、ムニンサジランなど。
実際の様子
擁壁の隙間から生えている状態 全景
同 近接
茎は二又分枝しています
茎につく緑・黄のものが単体胞子嚢群
単体胞子嚢群は三室で、
枝につくごく短い側枝の上に単生します
(胞子嚢群が三個合着)
はじめ緑色、熟すと黄色に変わります
単体胞子嚢群とは、
数個の胞子嚢が一つの単位としてまとまった姿をとる構造。
同 単体胞子嚢群
タコノキの枯れた幹のくぼみから生えているマツバラン
樹木の幹に着生する個体(他の場所にて)
ヤシ科植物不定根に着生する個体(他の場所にて)
南島でも
南島は全島、小低木あるいは草地です。
乾燥して、潮気の強い、石灰岩地です。
シダ植物はわずか5種類ほどしかありません。
そのうちの1つ、マツバランです。
複数箇所に生えていますが、個体数はごくわずかです。
南島の貴重なシダです。
ツアーでは
地味な植物で、
それほど目立ってあちこちで見られるわけありません。
そのため、
ツアーで紹介することは少なめです。
リクエストがあれば、各種ツアーで紹介します。
興味のある方はお伝え下さい。
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