小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(66)コブガシ


 

 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

 

(66)コブガシ(クスノキ科・固有種)

 

常緑高木の

コブガシ(クスノキ科・固有種)。

 

おもに高木性の林内で自生します。

一部、林縁や道路沿いでも見られます。

ただし、そういう場所は、

同じクスノキ科のムニンイヌグスの方が多いようです。

コブガシとムニンイヌグスはかなり似ています

(見分けは後述します)

 

クスノキ科の花の特徴かもしれませんが、

本種も、花は小さく、かなり地味です。

 

小笠原の分布は

父島列島、母島列島、火山列島と全域です。

 

父島では

高木性の林内全域で見られます。

 

このルート沿いでは、

夜明道路沿いの高木性のエリアで見られます。

 

 

 

 

 

種分化

 

 

小笠原で自生のクスノキ科タブノキ属は、

本種、コブガシ、ムニンイヌグスの3種。

(見解により、種の分類の差異はあるよう)

 

いずれも固有種。

 

untitled (ogasawara-info.jp)

 

夜明・湾岸道路一周での自生植物(88)ムニンイヌグス

 

夜明・湾岸道路での自生植物(87)テリハコブガシ

 

主な分布としては

ムニンイヌグスが明るい林内や林縁、

コブガシが高木林、

テリハコブガシはより湿り気の多い高木林となる。

 

とはいえ、

同所的に生えている場所もある。

 

 

 

 

 

 

和名

 

コブガシは「瘤樫」と書きます。

 

コブ(瘤)は、

小枝の節のあたりのふくらみ(コブ)からのようです。

 

カシ(樫)は、

葉が似ているところからでしょうか?

(要調査)

 

ちなみに、

カシはブナ科で、コブガシはクスノキ科です。

カシ – Wikipedia

 

 

 

 

 

実際の様子

 

中央山の個体 樹高5-6m

 

葉は互生し、枝先に集中します

新葉が赤味を帯びてやや目立つ時期があります

 

花期には円錐花序をのばします

花の数はかなり多いです

 

花は淡黄緑色、花被片6、

おしべ9、仮おしべ3、腺体6,めしべ1です。

 

 

花の拡大

花被片6、おしべ9、仮おしべ3、腺体6、めしべ1です。

この画像でも

それぞれの区別はわかりにくいですね。

腺体があって、蜜がでているのか、

花被片のなかに、小さな虫がたかっています。

 

 

コブガシのコブの由来となる部分

コブ(瘤)は、

小枝の節のあたりのふくらみ(コブ)からのようです。

 

 

 

 

 

 

コブガシとムニンイヌグス

 

コブガシとムニンイヌグス(固有種)は

わりとよく似ています。

 

葉を比較すると、

コブガシは毛がざらざらしています。

 

さらに葉の形が

コブガシは全体に丸みを帯びています。

葉の先端部も丸みがあります。

 

一方、

ムニンイヌグスは葉に毛がありません。

また形もやや細めで、先端部もとがり気味。

 

ただし、

どちらか紛らわしいような個体もあります。

 

 

コブガシの葉

縁は全縁、形は長楕円形~卵状長楕円形、 

葉先は鈍形

表裏とも触るとざらざらします

 

葉の裏

白っぽい、毛が生えています

 

 

 

 

 

 

ツアーでは

 

コブガシは、、目立った特徴も少ないので、

めったに紹介していません。

花も地味なので、花期も同様です。

 

興味のある方はリクエストして下さい。

個体数は多いです。

 

各種ツアーで紹介できます。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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