小笠原マルベリー

南島でよく見かけるコヒロハハナヤスリ


 

概要

 

コヒロハハナヤスリ(シダ・ハナヤスリ科・広域分布種)は

南島でよく見かけます。

父島でもたまには見かけます。

 

南島では

上陸してすぐの鞍部や陰陽池奥の草地などに出ます。

 

雨の多いような時期によく出ている印象です。

年に数回出ています。

その時期は多数出ていますので、

気にしていればすぐ気がつきます。

 

ただし、

ほとんどの方はこれをシダと認識していないでしょう。

芽生えてすぐの草に見えていることでしょう。

 

本種は、栄養葉(光合成する葉)と

胞子葉(胞子をつける葉)とがある二形性です。

 

 

胞子葉はまっすぐのび、先端に胞子嚢穂があります

地上に近いところに出る葉が栄養葉です。

 

シダの新芽は巻いたものが多いですが、

本種は巻いた状態にはならなくて、まっすぐだそうです。

 

 

小笠原では各島に分布します。

 

 

 

 

 

 

和名

 

コヒロハハナヤスリは

「小広葉花鑢」と書きます。

 

小さいヒロハハナヤスリです。

あるいは小さくて広い葉のハナヤスリでしょうか?

GKZ植物事典・ヒロハハナヤスリ (sakura.ne.jp)

 

ハナヤスリは

花のような胞子嚢穂を棒ヤスリに見立てたものです。

コヒロハハナヤスリ  三河の植物観察

コヒロハハナヤスリ (matsue-hana.com)

コヒロハハナヤスリ | 薬草データベース (kumamoto-u.ac.jp)

 

 

 

 

 

実際の様子

 

 

上陸してすぐの鞍部のコウライシバ

 

その中に混ざってコヒロハハナヤスリが出ます

 

 

コヒロハハハナヤスリが生えている様子

 

数は多数出ています

 

草本の芽生えのように見えるので、

シダとわかる人は少ないです

 

 

まっすぐのびているのが胞子葉で、先端部は胞子嚢穂

地上部の葉が栄養葉

 

同上

 

葉はそれほど広くは見えません

 

胞子嚢穂

 

胞子葉の先端部

 

同上  拡大

 

 

 

 

 

見るには

 

父島ではめったに見られないので、

ご紹介は難しいです。

 

南島では時々出ていまので、

ガイドさんに聞いてみて下さい。

 

マルベリーは陸域専門なので、

船で行く南島はガイド対象外です。

 

 

全ツアーメニュー

 

 

 

 

 

参考

 

小笠原で見られる維管束植物(種子植物・シダ)

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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