「戦略論の名著」(野中郁次郎編著)
目次
概要
2013年発行、
「戦略論の名著」(野中郁次郎編著)
本書では
12冊の本が取り上げられています。
各本の解説は
それぞれの執筆者が担当しています。
ここでの戦略とは、
国家として大きな戦略のことです。
そこには
戦争などの戦いも含まれます。
戦略論は
時代背景にも影響を受けます。
各本は、書かれた時代の違いがあります。
本書は
古い著書から順に解説さされています。
より新しい著書は、
それ以前の著書を踏まえているものもあります。
こういう本は
分かったような分からないような読後感。
2度読みをお勧めします。
12冊の本
孫武『孫子』(紀元前五世紀中頃~四世紀中頃)
―戦わずにして勝つためには
マキアヴェリ『君主論』(1513)
―君主の持つべき特性と力とは
クラウゼヴィッツ『戦争論』(1832)
―戦争とは何か
マハン『海上権力史論』(1890)
―海軍の存在価値とは何か
毛沢東『遊撃戦論』(1938)
―弱者が強者に勝つためには
石原莞爾『戦争史大観』(1941)
―最終戦争に日本が生き残るためには
リデルハート『戦略論』(1954)―
戦争に至らない、戦争を拡大させないために何をすべきか
ルトワック『戦略』(1987)
―戦争の意義とは何か
クレフェルト『戦争の変遷』(1991)
―戦争の本質と新時代の戦争とは
グレイ『現代の戦略』(1999)
―現代戦略をクラウゼヴィッツ的に解釈してみる
ノックス&マーレー『軍事革命とRMAの戦略史』(2001)
―戦史から学ぶ競争優位とは何か
ドールマン『アストロポリティーク』(2001)
―古典地政学を宇宙に適用するとどうなるか
リアリズム
編著者が本書に取りかかった理由の1つは、
現在の日本に最も欠けるものが戦略と戦争の研究と
考えたからです。
かつての日本には
リアリズム(現実主義)がありました。
明治維新の立役者はみなそうです。
その後、
日露戦争まではそうでした。
その後は観念論が強くなり、
敗戦にいたります。
戦後は戦争はなくなりました。
しかし、逆な意味での、
平和だという観念論が続いているのかもしれません。
編著者は
現実的戦略思考を持つ人材が必要と訴えます。
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