夜明・湾岸道路での自生植物(76)ホソバクリハラン
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類ずつ、
特徴や見られる場所を紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(76)ホソバクリハラン(シダ・ウラボシ科・固有種)
ホソバクリハラン(ウラボシ科・固有種)は
樹幹や岩上に着生する常緑シダ。
根茎から多数の葉がのびる。
葉は単葉で
葉柄と葉身とで20-30㎝ほど。
葉裏の胞子嚢群は円形で
中肋を挟み、両側に1列で並ぶ。
分布は
父島列島、母島、火山列島など。
父島では
山中に分布も広く、わりと個体数はある。
このルート沿いでは、
夜明道路沿い(夜明山付近)のタコノキに着生が見られた。
確認したのは1ヵ所のみ。
小笠原群島で見られるウラボシ科固有種は
本種とムニンサジランの2種。
なお、火山列島には
ナガバコウラボシがあるようだ。
本種とムニンサジランはやや似ている。
和名
ホソバクリハランは「細葉栗葉蘭」である。
クリハランは
クリの葉に似たランのようなシダ。
葉と枝による樹木検索図鑑-葉の解説-クリ (fc2.com)
ホソバクリハランは
細い葉のクリハランである。
こうなると、
たぶんクリの葉にはあまり似ていなくなる。
実際の様子
道沿いのタコノキ樹幹低いところ着生
同上 近景
葉は単葉、かなり細長い
葉柄・葉身とで長さ20-30㎝ほど
葉先は尖らないのが普通
葉裏に胞子嚢群がつくものは、
表側からも丸い形が分かる
根茎は短めに横走する
黒褐色線状
胞子嚢群は円形
中肋の両側に1列に並ぶ
同上 拡大
見るには
やや標高の高い山中に生えている。
観光ルート沿いではそれほど多くはない。
ツアーでは
森歩きや千尋岩コースで見られる。
それほど定番で紹介していないので、
興味のある方はリクエストしていただきたい。
参考
本種の胞子嚢群を表紙にした書籍。
「小笠原の植物 フィールドガイド」、
僕も分担執筆した。
小笠原の植物 フィールドガイド | |本 | 通販 | Amazon
前の記事へ
次の記事へ