小笠原マルベリー

「歳月」(司馬遼太郎)


 

 

概要

 

1969年発行、

「歳月」(司馬遼太郎)。

『新装版 歳月(上)』(司馬 遼太郎):講談社文庫|

歳月 (小説) – Wikipedia

 

司馬作品の中では

知名度はやや下がるかもしれない。

 

江藤新平の生涯を描いた作品。

物語は、

江藤の脱藩のころ(20代後半)から刑死するまで。

 

江藤は維新後、司法卿にまでなるが、

征韓論で下野。

佐賀の乱ののち刑死する。

征韓論 – Wikipedia

佐賀の乱 – Wikipedia

 

中盤からは、征韓論、佐賀の乱に焦点を当て、

話が進んでいく。

そして、大久保との間接的な対決の様相となる。

 

佐賀の乱では

執拗に江藤を追い詰めたのは大久保として描いている。

ただしこれは私怨によるものではなく、

あくまで国づくりを考えた大きな視野であったよう。

 

 

 

 

 

タイトル「歳月」

 

この小説はなぜ「歳月」なのだろうか?

 

読みながら、ずっと考えていた。

しかし、はっきりとした結論は出なかった。

 

とある記事では下記のような説明があった。

「 江藤を主人公にした小説のタイトルを

 「歳月」としたのは、

 ここまでの彼の苦節の人生を指しているのではないかと

 感じます。」

佐賀 「乱」ではなく「佐賀戦争」 江藤新平の功績に光を | NHK

 

なるほどとなと思った。

 

著者が意図を説明したものはないのだろうか。

 

 

 

 

 

江藤新平

 

江藤新平はかつて脱藩し、

長く永蟄居(無期謹慎)となっていた。

 

実際に活躍しだすのは、大政奉還のころから。

すでに34歳となっていた。

 

幕末を経て、太政官政府では司法卿となる。

政府の中で、征韓論側になっていたため、

論争ののち下野した。

 

さらに佐賀の乱では、

指導者となるが、すぐに敗れて、刑死する。

 

江藤新平 – Wikipedia

 

 

 

 

参考

 

 

「翔ぶが如く(全10巻)」(司馬遼太郎)

 

「アームストロング砲(新装版)」(司馬遼太郎)

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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