「新装版 海軍学徒兵 硫黄島に死す」(多田実)
目次
概要
2009年(平成21年)発行、
「新装版 海軍学徒兵 硫黄島に死す」(多田実)。
元は講談社より、1980年(昭和55年)発行。
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当初は復刻本の予定であった。
2009年、産経新聞写真報道局が硫黄島を取材し、
写真を使用して新装版とした。
新装版は産経新聞出版より。
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本書は下記の縦・横軸で貫かれる。
縦軸には
「硫黄島を中心とする大戦末期の極限の戦いを」。
横軸には、
「海軍予備学生を中心とする海軍出陣学徒兵の生と死の記録を」。
本書は
戦没海軍学徒兵と硫黄島戦に憤死した全将兵の霊に捧ぐと。
内容
タイトルの通りの内容ではある。
硫黄島に出陣した海軍学徒兵に焦点を当てて、
書き進んでいる。
本書は1943年(昭和18年)5月から始まる。
著者はそのころ、
海軍予備学生に応募していた。
そして、海軍出陣学徒兵となり、
しかも1944/4月に硫黄島に配属された。
ただし、
負傷により、6月には内地に戻っている。
1944/6月以前は著者の体験であるが、
それ以降は資料や証言などからまとめたものである。
文章のところどころで
父島や母島との関連も登場する。
海軍第二魚雷艇隊による、
北硫黄島兵救出のことも書かれている。
海軍出陣学徒兵
先の戦争では多くの人が亡くなった。
学徒出陣の方も多くが亡くなっている。
当時、
大学生といえば、かなりエリートであったはず。
日本の中枢を背負って立つであろう人が
かなりいたと思われる。
彼らは卒業を早められ、
海軍予備学生などに応募したものも多数。
そして戦場へ出陣していった。
人を価値づけするのは、申し訳ないが、
こういう人たちの多くを失ったのは、
戦後の日本にとっては大きな痛手であったと思う。
参考記事