「県庁おもてなし課」(有川浩)
目次
概要
2011年発行、
「県庁おもてなし課」(有川浩)。
*作家名、現在は有川ひろ
「県庁おもてなし課」有川浩 [角川文庫] – KADOKAWA
出版社は角川だが、
本書の中でも、実際に登場する。
小説とはいえ、
観光振興に励む行政関係者は必読の書ではないだろうか。
僕も観光にかかわる事業者として、
この小説、買った当時、一気読みした。
そして数年後の2025年に再読。
高知県が舞台。
主人公は県庁おもてなし課の若い男女2人。
準主役級が、
観光特使の作家やコンサルタントの人物。
(この2人は特別な間柄であった)
ストーリーの柱は、
おもてなし課の観光振興プロジェクト。
そこに、「パンダ誘致論」・「観光特使」・
「高知県レジャーランド化計画」などが絡み合う。
*本書はフィクションではあるが、
おもてなし課は実在した
県庁が舞台だけに、
役所の悪い体質もかなり浮き彫りにされている。
動かない・固い・前例主義・公平性など。
(最近は風潮が変わっていれば幸いだ)
そういったことにも、
折り合いをつけながら何とか前進していく主人公2人。
当然ように恋心も芽生えていきます。
こういう男女のシチュエーションは、
有川作品ではお決まりであろうか?
観光振興について
自然豊かな高知県、自然しかない高知県での、
観光振興。
実在の場所だけにかなり具体的。
興味を持てば、実在の場所ゆえに、
実際に訪ねることもできるのもいい。
他地域の方が、
この本ずばりの観光振興はできるかわからない。
しかし、十分ヒントとなることであろう。
肝はハードも大事だが、
ソフトがより重要ということ。
そしてそこに住む人たちの気持ちも。
この本を読んだとき、ないものばかりだけど、
「光」のある高知県に行ってみたくんなった。
そういう風に思わせる文章を書ける、
有川氏の筆力はすばらしいとしか言いようがない。
エコツーリズムについて
かなり前より、
全国各地でうたわれているエコツーリズム。
このレジャーランド化計画そのもの、
と言ってもいいくらい。
小笠原は、ある意味、
これに成功している地域事例でしょう。
僕が育った茨城県も自然豊かな県。
茨城県全体でうまくエリア利用を考えていけば、
より人を呼べるんではないかと思うけど。
どうなのだろう?
映画化された中で、
主人公がまさにいいこと言っていた。
住んでいる人が、
その地域をいい場所だと思わなければだめなんだと。
そうしなければ、人は来てくれない。
参考記事
映画化
本作品は映画化され、
’13年5月に劇場公開されている。
県庁おもてなし課 : 作品情報・キャスト・あらすじ – 映画.com
県庁おもてなし課:映画作品情報|MOVIE WALKER PRESS 映画
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