「公(おおやけ)」(猪瀬直樹)
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「公(おおやけ)」(猪瀬直樹)
概要
2020年7月発行、「公(おおやけ)」(猪瀬直樹)。
サブタイトルは「日本国・意志検定のマネジメントを問う」。
公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う | 猪瀬直樹 |本 | 通販 | Amazon
この本は、彼の考えの総決算でもあるかなと、
読みながら思いました。
本の帯にも、「作家生活40年の集大成!」とあります。
彼の本によく出てくるのが「家長」の意識です。
対比で放蕩息子というのもあります。
家長とは、彼の言葉によると、
「「公」の部分を内部に抱え込み、その責任取る立場で、
ファクトとロジックでものごとを考える人」です。
猪瀬氏は、戦後の日本は有事を想定しない国で、
「ディズニーランド」とも表現します。
本書は、公や家長ということを念頭に置きながら、
彼の実体験や執筆での経験をもとに話が進んでいきます。
話題は、
戦争の意思決定、道路公団民営化、明治以降の作家、
都副知事・都知事、東日本大震災、コロナ対策などです。
彼のこれまでの著書を読んでいると、話がよりよくわかります。
日本の意思決定の中途半端さは
この家長・公の意識の欠如が根源にあるということですね。
さらに大きな壁になっているのが
官僚機構(官だけでなく民にもある)というもの繰り返し述べられています。
先日、はやぶさのプロジェクトリーダーが述べていた言葉があります。
「選択肢は2つ以上」「想定外を想定する」。
きちんとした意思決定ができない背景にはこの2点の欠如もあることかと思います。
さて世の大人たち、家長の意識はお持ちでしょうか?
いつまでも放蕩息子の方が楽は楽なんですけどね…
猪瀬氏の本
僕は猪瀬氏の本を複数読んでいます。
猪瀬直樹: マルベリーの日記&小笠原情報箱 (seesaa.net)
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