夜明・湾岸道路一周での自生植物(40)オガサワラアザミ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
それを順に紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(40)オガサワラアザミ(キク科・固有種)
草丈1m前後の多年草、オガサワラアザミ。
花期は4-5月頃で、
乳白色の頭状花(頭花)をつけます。
分布は父島列島と母島です。
海岸に使い林縁や草地などに自生します。
父島では、ヤギの食害などで、
父島の個体数はかなり少ない状況です。
ただし属島の南島では多数自生しています。
本種は多年草で、
芽生えから花をつけるまで2年以上はかかります。
花期・果期が終わると地上部は枯れます。
その後しばらくしてから、
根元からまた新たに萌芽してきます。
そうすると、一年でスクスクのびて、
翌年には花をつけます。
そして地上部は枯れます。
その後、また萌芽しての繰り返しです。
1つの根茎は何年ぐらい持続するのでしょうね?
このルート沿いでは、扇浦海岸休憩所付近で、
植栽株が複数見られ、花期には花も見られます。
残念ながら、自生株ではありません。
和名
オガサワラアザミは「小笠原薊」、
つまり小笠原のアザミです。
アザミの由来は所説あるようです。
アザミは
根がゴボウのように食用になります。
小笠原では
「カイガンゴボウ」ともいわれたようです。
全体の形
花期になるまではごわごわとした大きな葉だけが目立ちます。
花期になると、花茎をのばします。
花
花茎の先に、1つ(単性)あるいは散房状に複数の花をつけます。
この写真は複数つけている状態。
頭状花は乳白色に近いような色です。
筒状花のみで舌状花はありません。
花の拡大
頭状花(頭花)は筒状花(管状花)のみです。
1つの筒状花を拡大すると、5裂の筒の中央部にめしべがのびています。
めしべの付け根におしべもついています。
葉
アザミというと葉の鋭いとげが痛いものです。
でも、
本種はとげも少なめで、さほどいたくもありません。
僕は、内地に旅行した時、
海沿いの草地などでアザミの仲間に足があたり、
何度も痛い思いをしています。
オガサワラアザミはとげ少ないので、
さほどいたくもありません。
これも捕食者の少ない海洋島での進化なのかもしれません。
でも、
ヤギが野生化して食害を受けることは想定外だったのでしょうね。
食害がひどいです。
見るには?
観光での来島者が父島で本種を見たい場合、
野生株はほぼムリです。
宮之浜から海岸沿いに30分ほど歩く場所に自生地がありますが、
行くのは干潮時に限ります。
南島では遠望できます。
年によってはルートそばで見られるときがあります。
植栽株は大神山公園や扇浦海岸で見られますので、
景観ツアーなどで紹介します。
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