小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(51)シマザクラ


 

夜明・湾岸道路一周での自生植物(51)シマザクラ

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。

 

(51)シマザクラ(アカネ科・固有種)

 

樹高1-2mの低木性樹木、シマザクラ。

7-9月頃が花期で、

1本の個体でもわりと長期間花が見られます。

 

サクラの仲間ではないシマザクラ。

サクラに似ているのはほんのりとした薄い花冠の色だけです。

 

父島、母島列島などに広く分布します。

海岸付近の岩石地や山地の林縁、疎林地で自生します。

道沿いでも見られます。

 

このルート沿いでは、

夜明道路(旭平から中央山にかけて)で数本生えています。

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

シマザクラの近縁種はマルバシマザクラ、アツバシマザクラです。

ただし、アツバは火山列島のみに自生します。

 

小笠原群島ではシマザクラとマルバシマザクラの2種となります。

その2種が、混生したり、隣り合って生えている所は、

父島ではほとんどないかと思います。

 

 

 

 

小笠原での進化

 

シマザクラは祖先種がたどり着いて以降に、

木本化、種分化という進化がおこった可能性が高いです。

 

この仲間は類縁種が知られていません。(特殊固有系)

untitled (ogasawara-info.jp)

 

別な研究成果では、

アジア大陸内陸部の草本種が拡散したことを示唆しています。

そして、祖先種が小笠原にたどり着いたのち、

固有に進化し、木本化、種分化が生じたようです。

 

17K07526 研究成果報告書 (nii.ac.jp)

海洋島木本種の進化に注目したシマザクラ属(アカネ科)の系統解析と分類学的再検討 

 

 

 

 

 

 

和名

 

シマザクラは「島桜」書きます。

シマザクラはアカネ科で、サクラの仲間(バラ科)ではないので、

紛らわしい和名をつけたものですね。

ガイドとしては、和名で解説のネタにはなります。

 

サクラに似ているところがあるかというと、花色です。

その一点だけでシマザクラと和名になったかと思われます。

 

 

 

 

 

花はごく薄い 淡紫色、筒状で4裂、裂片は線形で反曲 (カールしています)。

4裂部分は細長くのびて反り返っています。

おしべ4、めしべ1です。おしべ、めしべも長くのびています。

 

花の裂片、おしべ、めしべともみな細くのびているので、

近くで見ないとそれぞれの見分けがつきにくいです。

 

 

 

 

葉は披針形で、対生です。

 

 

 

 

樹形

 

本種は、桜の仲間(バラ科)ではなく、アカネ科です。

草本ように見えますが、小低木です。

 

道沿いでも、このように岩場などで生えているのを数カ所見かけます。

 

 

 

 

マルバシマザクラとの違い

 

近縁種のマルバシマザクラとは、明らかに葉の形が違っています。

ただし父島ではマルバはかなり個体数が少ないです。

 

シマザクラとマルバシマザクラでは花期が違っていて、

マルバは5月頃に咲いています。

 

シマザクラとマルバシマザクラの違い

 

 

 

ツアーでは

 

シマザクラは林内や道路沿いにポツポツと生えています。

自分で見つけるのはやや難しいかもしれません。

 

景観ツアーや森歩きでご紹介します。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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