「宿敵 上・下巻」(遠藤周作)
目次
「宿敵 上・下巻」(遠藤周作)
概要
1985年発行、「宿敵 上・下巻」(遠藤周作)。
宿敵 上巻 | 小学館 (shogakukan.co.jp)
宿敵 下巻 | 小学館 (shogakukan.co.jp)
時代は豊臣時代。
宿敵とは、秀吉に仕えていた小西行長と加藤清正のこと。
本書では主人公は小西行長です。
小西に焦点を当てて、話が進んでいきます。
小西が官僚タイプとすれば、加藤は現場タイプ。
秀吉に仕える頃から肌が合わなかったよう。
宿敵といっても、直接、戦ったわけではありません。
秀吉の死後、関ヶ原では東西に分かれはしましたが。
小西と加藤のすれ違いは
秀吉の朝鮮出兵時の確執や関ヶ原の戦に至る経緯など、
じっくり書かれています。
本書のきっかけ
小西はキリシタン(切支丹・クリスチャン)でした。
著者の遠藤氏もクリスチャン。
そのあたりで、著者はもともと小西に興味を持っていました。
小西が主人公の小説もあります。
さらに、
遠藤の祖先の1人が加藤と戦った経緯から、
加藤にも興味を持ったとのことです。
(下巻:筆硯閑談より)
小西と加藤
小西と加藤は、
大名として秀吉からもらった領地が隣り合っていました。
関ヶ原後は、加藤が小西のいない領地を攻めます。
小西は西軍で関ヶ原では負け戦。
しかし、クリスチャンゆえ、自害せず、
関ヶ原から落ち延びます。
しかし、その後、捕まり、京で首をさらされます。
一方の加藤は、
その6年後、小西と同じ年で亡くなっています。
毒殺ではないかと噂されました。
著者は
小西の妻・糸が秀吉と加藤の毒殺に関わったかのような
表現をしています。
(さて真実は?)
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