小笠原マルベリー

父島の海岸でも軽石が漂着(’22/2月初旬)


 

概要

 

’22/1月下旬、

父島の海岸でも軽石が見られています。

 

量はそれほど多くはないので、

浜辺に一筋の線となって打ちあがっています。

サイズもかなり小粒です。

 

沖縄や奄美から見たら、量はかなり少ないと思います。

ですから、

小笠原では大きな影響はないかと思います。

 

この軽石は

福徳岡ノ場噴火由来で、’21/8月噴火です。

福徳岡ノ場|海域火山データベース|海上保安庁 海洋情報部 (mlit.go.jp)

 

福徳岡ノ場火山噴火由来の軽石を調べてみた

 

小笠原には

直接すぐにはほとんど流れ着きませんでした。

海流の関係か

南西諸島、本州南岸経由で、小笠原に来たようです。

もう4か月以上たっています。

 

 

 

 

 

海流散布

 

今回の軽石の経路は

植物の海流散布を考える上でも参考になります。

 

小笠原の植物の起源となるエリアは

東南アジアや琉球方面がかなり多いです。

海岸性植物は

果実が海流散布でたどりつくものが主です。

 

水に浮くという意味では

果実も軽石も同じです。

両者は自力で動くことはないので、

同じように流されていくと考えられます。

 

軽石は

南硫黄島~沖縄・奄美~本種南岸・伊豆諸島~小笠原です。

沖縄からは黒潮に乗ったのでしょう。

 

だとすると、

東南アジア方面からの海流散布も同じ経路をたどるでしょう。

 

東南アジア方面からはダイレクトに東に流れるのではなく、

本州南岸を迂回してくるということになるかと思います。

 

 

 

 

 

 

実際の様子

 

 

扇浦

 

扇浦

 

他の漂着物に軽石が混ざる

 

同上

 

 

 

製氷海岸

 

 

製氷海岸

 

軽石が一筋のラインとなっている程度

 

 

 

 

見るには?

 

’22/2月時点では

たいがいの浜に打ちあがっています。

 

量的にはさほど多くはないので、

浜辺に細い線状に残っています。

 

ツアーで、

浜に立ち寄る際は紹介します。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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