夜明・湾岸道路での自生植物(60)アコウザンショウ
目次
初めに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類ずつ、特徴や見られる場所を紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(60)アコウザンショウ概要
アコウザンショウ(ミカン科・固有種)は
小笠原では数少ない雌雄異株の落葉高木。
落葉は黄色の黄葉です。
パイオニア植物なので、
台風などで開放地ができると、そこに一斉に発芽します。
小笠原での分布は
父島、弟島、母島、向島などです。
父島列島では、父島と弟島にあって、
その間の兄島にないのは、不思議です。
父島では分布も広く、個体数も多い固有種です。
道路沿いでも見られます。
林内で高木になった個体も、
初めのころは開放地で発芽したと思われます。
小笠原でミカン科固有種は、本種のほか、
シロテツの仲間やムニンゴシュユなどがあります。
この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、
長崎から長谷にかけてぽつぽつと見られます。
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説明板
かぶれ
アコウザンショウは固有種なのですが、
あまり好まれていない樹木です。
なぜなら、樹液などでかぶれるからです。。
そのため、
触るような位置にある幼樹のころが要注意です。
近縁種は内地のカラスザンショウといわれますが、
こちらはかぶれることはないです。
この違いも不思議です。
和名
アコウザンショウは「赤榕(赤秀)山椒」です。
赤榕(アコウ)については、
植物のアコウのことと思われますが、はっきりしません。
山椒(サンショウ)は
サンショウの仲間(サンショウ属)からですね。
かぶれることから
島では「ポイソンウッド(毒の木)」ともいわれたようです。
Evidence of a contact language in the Bonin Islands (Ogasawara) (tmu.ac.jp)
小笠原世界自然遺産シンボルマーク
右側の羽状の葉はアコウザンショウです。
果実がアカガシラカラスバトが好む餌となるため、
イラストに用いられています。
世界自然遺産のロゴデータダウンロード | 小笠原村公式サイト
葉
アコウザンショウの葉
葉は奇数羽状複葉です。互生します。
小葉は10前後(7-14対ぐらい)です。
羽状複葉の場合、1つの柄から出ている葉は小葉といいます。
小葉は独立した葉というより、
小葉全体で1つの葉と考えるといいと思います。
黄葉している葉
葉は黄葉して落葉します。
時期的には
1-2月ごろという感じでしょうか。
落葉後、次の新葉が出るまで、
しばらくは丸裸のままですね。
幹
幹はやや黄味のある白っぽい色
一定間隔で、細い縦筋が入ります
幹に残る葉痕はハート形
葉はある一定期間がすぎると、
幹から葉柄が切れて落葉します。
羽状複葉の場合、
1つの柄につく小葉は一蓮托生で一緒に全部落ちます。
そして、幹には葉痕が残ったりします。
(葉痕とは葉柄が切れて、幹に残る痕です。)
果実
雌雄異株なので、雌株だけ果実をつけます。
アコウザンショウ果実
果実は、まだ樹木についているのもあれば、
すでに房ごと地面に落ちているところもあります。
その房を見ると、
3分果単位でまとまってついています。
分果には1つの黒光りする種が入っています。
直径は5-6㎜くらいです。
この種は
アカガシラカラスバトのいい餌資源です。
黒光りする種子
房は3分果単位でまとまってついています。
分果には1つの黒光りする種が入っています。
直径は5-6㎜くらいです。
花
手持ち写真がなく資料作成中・・・
ツアーでは
かぶれる植物ですので、
幼樹があるところでは、いの一番に紹介します。
高木に成長した個体では
また比較で紹介します。
果実のころは、
アカガシラカラスバトが餌場として利用しているかもしれません。
各種ツアーで紹介します。
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