夜明・湾岸道路での自生植物(62)ムニンテンツキ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類ずつ
特徴や見られる場所などを紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(62)ムニンテンツキ(カヤツリグサ科・固有種)
常緑多年草のムニンテンツキ。
草丈は50㎝以下程度です。
花茎がのびていないときは、
葉はややそるように生え、もう少し低めです。
花期は5-6月頃となっていますが、
早いところは3月ごろからです。
カヤツリグサ科も、イネ科同様、
花期になると花茎をのばし小穂がつきます。
本種の小穂は卵状紡錘形です。
カヤツリグサ科の花茎は3角形です。
触ってみてください。
分布は父島列島、母島列島などです。
山地の日当たりのい林縁や岩場で生えています。
このルート沿いでは、
夜明道路沿い(奥村から長崎にかけてなど)で生えています。
似た仲間
山地の方では
シマイガクサ(固有種)がやや似ています。
ムニンテンツキの方が葉がやや広めです。
個体差もあるので、
小穂がないと区別が難しい場合があります。
シマイガクサの小穂は平べったいので、容易に区別がつきます。
海岸に近い草地や空き地などで、
本種と似たものが生えていることがあります。
それはハマスゲ(外来種)です。
和名
ムニンテンツキは
「無人天衝あるいは無人点突」です。
小笠原のテンツキという意味です。
テンツキは
小穂で点をつける『点つき』、
小穂が上を向くので『天突き』など説があるようです。
実際の様子
全景
葉は細めでややカールしています。
花期になると、
花茎の先に、散房状に10個程度の小穂をつけます
小穂は卵状紡錘形
花は両生花ですが、
おしべ・めしべの出るタイミングが違っています。
雌性期と雄性期があるようです。
雄性期
おしべの黄色い葯がのびた状態
(めしべの白い柱頭も見えます)
雌性期
めしべの白い紐状の柱頭がのびた状態
柱頭は2
見るには?
林縁や岩場で見られますが、
普段はあまり紹介していません。
カヤツリグサ科で地味ですが、
花期には紹介したりしています。
おもに森歩きで紹介します。
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