「翔ぶが如く(全10巻)」(司馬遼太郎)
目次
概要
1975-1976年発行、
「翔ぶが如く(全10巻)」(司馬遼太郎)。
文春文庫『翔ぶが如く 一』司馬遼太郎 | 文庫 – 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)
翔ぶが如く – Wikipedia(2ページ目)司馬遼太郎「司馬遼太郎を読む」
文庫本では全10巻と、かなりの長編小説です。
気合を入れて読まないと、
途中でめげてしまいそうになります。
「坂の上の雲」でもそうですが、
ここでも、戦闘場面はかなり克明に描いています。
そこが、ちょっとつらかったりします。
長編ゆえ、本筋の話だけでなく、
余談や本筋にまつわる関連情報などが
かなり盛り込まれています。
本書は
西郷隆盛の生涯を描くというイメージの方も多いでしょう。
それは間違いです。
明治維新以降、征韓論のあたりからです。
なので、
西郷の活躍華やかなりしころではありません。
カリスマ西郷としてのころを描いています。
内容
明治維新以降、カリスマ的存在の西郷隆盛。
西郷の存在を基軸に描かれた小説ですが、
小説の中での直接の登場はそれほど多くはありません。
むしろ、
盟友の大久保の方が多くページをさかれています。
登場人物は薩長を中心に多岐にわたります。
小説は
西郷が征韓論をとなえるところから、
西南戦争で亡くなるまでを描きます。
その間、西郷が何をやったかというと、
じつはさして何もしていません。
カリスマを基軸に、周辺が動いたのです。
西郷は征韓論に敗れ下野してから、
鹿児島で猟をして暮らします。
西南戦争でも、まつりあげられただけで、
実質、ほぼ何もしていませんでした。
最後の章では、
大久保のその後、暗殺までが描かれています。
西郷の活躍を読みたい方は
明治維新までの本がいいでしょうね。
カリスマがいると、
世の中が動いたという見本みたいな時期でした。
明治維新から10年、
西南戦争で、1つの区切りが終わったということですね。
大久保はそもそも維新から30年かけて、
政府の統治をきっちりしていくつもりだったようです。
次の10年まで(明治20年)までは、やるつもりだったようで、
暗殺されて、心残りだったでしょうね。
参考:当時の出来事
征韓論 征韓論 – Wikipedia
台湾出兵 台湾出兵 – Wikipedia
佐賀の乱 佐賀の乱 – Wikipedia
西南戦争 西南戦争 – Wikipedia
参考:司馬作品
司馬 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
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