「この国のかたち 一~六」(司馬遼太郎)
目次
概要
1990年単行本、1993年文庫本発行、
「この国のかたち 一~六」(司馬遼太郎)。
大部分は
月刊『文藝春秋』「巻頭随筆」に掲載されたもの。
著者急逝により、
6巻は、随想集も加わる。
1篇がおおむね4000字程度で、
1篇ごとの主題なので、どこからでも読める。
(一部テーマでシリーズのものがある)
彼の言葉によると、
「この国の習俗・慣習、思考や行動の基本的な型を
大小となく煮詰め、
エキスみたいなものが取り出せるとすればと思い、
「かたち」を取り出しては大釜に入れている。」
のだそうだ。
過去の日本を知るという意味では
かなり学びにもなる本である。
司馬作品のファンの方には、
そこに関連する話題もあり、より興味を引きやすいと思う。
内容
日本という型がどうやってできてきたか、
さまざまな時代・テーマでとりあげられている。
同じテーマを
数回連続で取り上げているのもある。
良いも悪いも思い入れがあるということであろう。
「統帥権」「神道」「鉄」「宋学」
「歴史の中の海軍」など。
その中で異質な時代が敗戦までの昭和時代。
日本がおかしかった時代。
著者が肌で体験した時代でもある。
軍部独走の元凶である統帥権については、
とても手厳しい表現で書かれている。
そういう過去の歴史を紐解くことで、
現在の日本のありようも見えてくることもあろう。
よくもあしくも、日本は古くから続く国である。
外国の影響も受けつつも、
島国ゆえに、影響が部分的でとどまった。
それゆえ、
日本独自の文化もできたのであろう。
「この国のかたち」として。
この本を読んで、
日本の歴史・文化がますます気になってくる。
司馬参考
司馬遼太郎 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
司馬遼太郎: マルベリーの日記&小笠原情報箱 (seesaa.net)
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