「核密約から沖縄問題へ 小笠原返還の政治史」 ( 真崎翔)
目次
概要
2017年4月発行、
「核密約から沖縄問題へ 小笠原返還の政治史」
( 真崎翔)。
核密約から沖縄問題へ « 名古屋大学出版会 (unp.or.jp)
真崎 翔(Masaki Sho) | 教員紹介 | 名古屋外国語大学
核密約という重いテーマの本。
タイトルからすると、
小笠原はサブテーマのようである。
本文では、かなりの量が割かれていて、
実際には小笠原が主題といえます。
本文では
小笠原や沖縄の返還交渉が克明に描かれている。
交渉過程では、
繰り返し同じような文言が出てきます。
要点
小笠原は返還以前、核が置かれていた事実。
小笠原返還にあたっては、
核貯蔵の密約があったこと。
小笠原は一括返還されたが、核貯蔵密約のこともあり、
実質として、硫黄島は分離されました。
(いまだに一般人が訪れることもできません)
それを踏まえて、沖縄返還にあたっては、
沖縄に核持ち込みの密約があったこと。
意図とは逆に、
小笠原返還が、沖縄返還の時期を早めたこと。
当時の情勢、
ベトナム戦争や共産国(中・ロ)が影響していること。
アメリカの核は「核の傘」ですが、
「瓶の蓋」(日本に核を持たさない)効果もあったこと。
などなど。
難しいテーマだが、
返還の情勢について、とても勉強になった。
目次
序 章 なぜ小笠原返還交渉を取り上げるのか
第1章 小笠原占領の決定
第2章 父島と硫黄島の米軍基地
第3章 返還交渉を進展させた米国側の要因
第4章 返還をめぐる米国内および日米間交渉
第5章 小笠原核「密約」と沖縄返還交渉
終 章 小笠原返還交渉とは何であったのか
参考
Spirit03.pdf (anniv-ogasawara.gr.jp)
「小笠原 公益財団法人小笠原協会創立五十周年史」(小笠原協会)
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