「日本軍兵士」(吉田裕)
目次
概要
2019年7月発行、
「日本軍兵士」(吉田裕)。
2019年新書大賞受賞。
日本の戦争の実態を知ることは大事。
戦場で亡くなった兵士は、
戦闘で亡くなった人ばかりではない。
本書は、
通常の戦闘以外で亡くなった兵士に焦点を当てたもの。
具体的には、
戦病死、餓死、海没死、特攻(通常の戦闘ではない)、
自殺(自決)、処置(傷病兵への殺害)などがある。
さらに、当時の実態や歴史的背景も書かれている。
アジア・太平洋戦争の戦死者は、9割がサイパン陥落後。
そして、
戦闘での戦死以上に、戦病死が多いということ。
その部分だけを取り上げても、日本の中枢が、
兵士を人権ある人として見ていなかった実態が分かる。
ああ悲しや、無情。
硫黄島での死者について
生きのびた兵士の証言による推定(本文64ページ) 。
敵弾で戦死 30%。
残り70%の内訳は、
自殺(注射も含む) 60%
他殺(捕虜になるなら殺す) 10%
事故死 一部。
硫黄島は玉砕と言われ、
2万人ぐらいの兵士が亡くなっている。
戦場になったとはいえ、
実際には洞窟の中でかなり生きのびていたのである。
自殺60%というのが物語っている。
むなしい。
目次
序章 アジア・太平洋戦争の長期化
第1章 死にゆく兵士たち―絶望的抗戦期の実態1
第2章 身体から見た戦争―絶望的抗戦期の実態2
第3章 無残な死、その歴史的背景
終章 深く刻まれた「戦争の傷跡」
参考
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