小笠原マルベリー

ハート形の小さなシダ、ヒメタニワタリ


 

概要

 

ハート形の小さなシダ

ヒメタニワタリ(シダ・チャセンシダ科・広域分布種)。

himetaniwatari.pdf (env.go.jp)

 

母島の石灰岩上(石門)で、

ごくまれに生える小型のシダ。

父島列島には存在しない。

 

 

父島では見られないため、

僕もわずかしか見たことがない。

 

葉は小ぶりな心形(ハート形)。

胞子嚢群は葉の裏に、

中肋の両側、測脈に沿って線状に複数のびている。

 

 

 

 

 

広域分布種・種の保存法 

 

小笠原では母島だけの分布でかなりレアだが、

実は、北大東島などにもある。

(訪問した時には見つけられなかった)

 

沖縄県北大東島(2013年訪問・再編集)

 

それゆえ、広域分布種となる。

 

でも、

普通の固有種以上にレアではある。

 

その証拠に、

種の保存法に指定されている。

list_ESPA20210401.pdf (vill.ogasawara.tokyo.jp)

ヒメタニワタリ | 自然環境・生物多様性 | 環境省 

 

 

 

 

 

和名

 

ヒメタニワタリは「姫谷渡」と書く。

 

近縁のコタニワタリ(小谷渡)より、

さらに小さいところから姫谷渡である。

コタニワタリ – Wikipedia

 

コタニワタリはシマオオタニワタリのような形で

ハート型のヒメタニワタリとは似ていない。

 

夜明・湾岸道路一周での自生植物(71)シマオオタニワタリ

 

 

 

 

 

 

現地の様子

 

 

石門エリアの石灰岩上にわずかに着生

 

 

葉身は単葉、形はハート型(心形)

長辺で5-8㎝ほど

 

 

葉裏に胞子嚢群

 

胞子嚢群は、

中肋両側の側脈に沿って、線上に複数並ぶ

 

 

 

 

見るには

 

母島・石門地区の石灰岩エリアに生える。

ルート沿いにあるので、見ることができる。

 

ただし入林パスが必要なルートなので、

観光の方はガイドツアーで見ていただきたい。

小笠原母島観光協会|ガイドと行く(アクティビティ詳細) 

 

ちなみに僕がガイドするマルベリーは

父島専門である。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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