「硫黄島 IWO-JIMA」(黒川創)
目次
概要
2000年発行、
「硫黄島 IWO-JIMA」(黒川創)
硫黄島が舞台の小説。
戦記本というわけでもなく、
主人公の人間関係と
硫黄島のことが絡み合いながら話は進む。
戦前から戦後の硫黄島の歴史が
かなり盛り込まれている。
また、小笠原で出土した石器のことも交える。
物語のはじまりはかなり古い時代。
どこかの島から男女が船に乗って旅出すところから。
(プロローグ)
その後は、
唐突に硫黄島に向かう輸送機へとつながる。
カタヤマと女性記者(浦辺さん) は
硫黄島に慰霊巡拝の取材に訪れるという設定。
カタヤマの折り合いのつかない人間関係が
硫黄島のこととからみああう。
物語の結末は
カタヤマと浦辺さんとの会話で終わる。
カタヤマさんの心の中が
整理がついたということだったのだろうか?
(ここは僕にはよくわからない)
硫黄島の読み
現在は「いおうとう」
もともと戦前からの呼称はそれであった。
米軍占領下から、
「いおうじま」が使われるようになった。
その後、
2007年から、元の「いおうとう」に戻る。
したがって、本書発行の2000年は、
「いおうじま」「いおうとう」両者つかわれていた。
いおうじまの英語表記は
タイトルの通りで「IWO-JIMA」。
返還30周年
本書の発行は2000年。
小笠原諸島返還30周年は1998年。
この小説はその少し前ぐらいの設定となっている。
選挙管理委員会
本文では不在者投票のことが出てきた。
硫黄島や南鳥島では
父島から選管が訪れ不在者投票事務を行う。
委託を受けての代行業務である。
父島からヘリで硫黄島に飛ぶ。
南鳥島はそこからまた輸送機。
2024年時点、
僕は小笠原村選挙管理委員長である。
僕もその業務で、
何度か硫黄島、南鳥島で訪れている。
生きたくても行けない島なので、
役得ではある。
藤井春洋(折口春洋)
本文で
藤井春洋のことも書かれている。
藤井春洋は、国文学者、歌人。
折口信夫の養嗣子。
硫黄島の戦闘でなくなる。
参考
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