「震洋発進」(島尾敏雄)
目次
概要
1987年発行、
震洋発進(島尾敏雄)。
本書は新刊本では買えないが、
古本であれば、まだ購入できそうである。
著者は、戦時中、奄美群島加計呂麻島にて、
第十八震洋特攻隊隊長だった人。
出撃はなかった。
本文はタイトル編を含む全4編。
前3編は、
戦後、彼が訪ねた基地跡が舞台になっている。
「震洋の横穴」は高知県、「震洋発進」は沖縄本島金武、
「震洋隊幻想」は石垣島。
「震洋隊幻想」の舞台・石垣島では、
震洋隊がかかわる捕虜の斬殺があった。
震洋隊では、
唯一(著者曰く)戦犯となり処刑された人が出てくる。
『「石垣島事件」補遺』は、その事件の補遺である。
島尾氏の文章は、
屈折したような、ネガティブな感情が見られる。
本人の性格もあるのだろうが。
やはり本人の戦争経験が大きいのだろう。
文章は改行も少なめなので、
やや読みにくく感じるかもしれない。
4編のあとに、妻であったミホ氏による、
『「震洋発進」への思い』という文章も入る。
この文章は夫・敏雄氏の死後に書かれた。
目次
震洋の横穴
震洋発進
震洋隊幻想
「石垣島事件」補遺
「震洋発進」への思い(島尾ミホ)
参考:島尾氏著書
参考:本書に関連する戦跡
参考:父島の震洋隊関連
父島の部隊も出撃なく終わった。
船の格納庫と思われる壕が多数残る。
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