夜明・湾岸道路一周での自生植物(92)ムニンヤツデ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどある。
1種類ずつ、
特徴や見られる場所を紹介していく。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
概要
ムニンヤツデ(ウコギ科・固有種)は
小高木にまで成長する樹木。
葉の形が独特の掌状(5か7裂)で、一目でわかる。
内地のヤツデと比べると、
裂数、葉の縁や先の形がやや違う。
ムニンヤツデは、5か7裂、
縁は波状で鋸歯がなく、先端が丸みがある鈍形。
<案内板>
小笠原での分布は
父島、兄島、母島、火山列島など。
父島では、
標高200m以上の山地にわずかに見られる程度。
個体数は少な目。
中央山の歩道沿い、千尋岩ルート沿いなどで、
わずかに生えている。
このルート沿いでは、
中央山入口付近に1本見られる。
ただし、東平側の柵の向こう側にあるため、
近くによることができない。
道路から見える場所にあるので、
番外とはせずに、このシリーズに含めた。
小笠原でウコギ科自生種は
本種のみで固有種。
外来種では、タイワンモミジや、
ホンコンカポック(ヤドリフカノキ)などがある。
本種の花期は11月頃。
小低木のため、
なかなか花を間近で見ることができない。
和名
ムニンヤツデは「無人八つ手(八手)」」と書く。
小笠原(ムニン)のヤツデという意味。
八つ手とはいっても、
実際に掌状の葉の裂数は5.7.9と奇数が普通。
8は縁起のいい数、
あるいは数が多いという意味合いがある。
八百屋、八百八橋、八百万など。
生えている様子
中央山道沿いの個体
柵の向こう側
同上
5mほど奥に生える
同上
樹高はまだ4-5m程度
中央山歩道沿いの個体
樹高は10m近い
葉は掌状5-7裂
葉の縁に鋸歯はない、先端も鈍形
花には散形花序をのばす
11月頃が花期
花序の先に
こぶりな花を複数つける
花は5弁、おしべ5、めしべ1(花柱5)
開花直前の状態
めしべの花柱5がすでにわかる
見るには
中央山入口の個体は道沿いにある。
柵の向こうとはいえ簡単に見られる。
夜明道路を通る、各種ツアーで紹介ができる。
他に中央山歩道沿い、千尋岩ルート沿いなどでも見られる。