オオバシマムラサキ雄花(雄株の花)
オオバシマムラサキ雄花(雄株の花)
雌雄異株のオオバシマムラサキ(シソ科・固有種)。
5月下旬、花期を迎えつつあります。
今回は雄株の花(雄花)を紹介します。
雄花は2タイプあって、
めしべの短い短花柱タイプとめしべが退化したタイプがあります。
この個体はめしべが退化したタイプです。
花は集散花序の先に小花がまとまってつきます。
咲きだすと。ピンク色の丸い塊に見えます。
1つの雄花はごくこぶりで、淡桃色4裂、
おしべ4、めしべ1(退化もあり)。
小笠原の植物の雌雄性分化については
資料を紹介します。
http://ogasawara-info.jp/pdf/isan/shiyu.pdf
内地のムラサキシキブ属ではこういう雌雄性の分化はないようです。
この雌雄性分化は、小笠原での植物進化の事例の1つです。
さらにいうと、
本種も含むムラサキシキブ属は種分化も起きています。
オオバシマムラサキ、シマムラサキ、ウラジロコムラサキの3種です。
オオバシマムラサキは父島・母島に広く分布しますが、
他の2種は父島・兄島のみに分布です。
父・兄に特徴的な乾性低木林内にシマムラサキが、
さらに岩石地などにウラジロコムラサキが分布します。
小笠原のムラサキシキブ属はダブル進化なのですね。
和名のオオバシマムラサキ、「大葉島紫」です。
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