小笠原マルベリー

ムニンイヌノハナヒゲ(無人犬の鼻髭)


 

 

概要

 

このブログでネコノヒゲを紹介したことがある。

ネコノヒゲは外来種。

 

白花のネコノヒゲ花

 

小笠原の固有種にも、

似たような感じの和名をつける草本がある。

 

それが

ムニンイヌノハナヒゲ(カヤツリグサ科・固有種)。

 

イヌノハナヒゲはまさに「犬の鼻髭」。

資料では全草の細いのを見立てたとあります。

幅は5mmもないくらいで、かなり細いです。

 

小笠原での分布は父島・兄島。

雨が降ると水がたまり、

湿地になるような草地に生えている。

 

父島での分布は、僕もわずかしか知らない。

かなり限られた分布なのだろう。

ただし、

わずかだが、ガイドツアーのルート沿いでも見られる。

 

花期は3-4月ごろ。

 

 

 

 

和名

 

ムニンイヌノハナヒゲは「無人犬の鼻髭」。

 

イヌノハナヒゲは

1.全草が細いのを見立てた、

2.花序(小穂)の先の鼻髭のような突起(芒)から、

と2説があった。

さてどちらであろうか?

 

つまり

小笠原に生える(ムニン)イヌノハナヒゲ。

 

 

 

実際の様子

 

生えている様子 

葉はかなり細い

群生して生えることが多い

 

花期は複散房状花序の先に、

赤褐色の小穂を多数つける

黄色くのびているのはおしべ

 

 

 

 

 

 

 

差別用語

 

現在だと、差別用語が厳しくなっているので、

新種の動植物の和名にそういう用語はつけられない。

 

しかし、和名はたいがい昔につけられているので、

そのまま使われていることが多い。

メクラ、クソ、ヘクソ、ニセ、フグリ、

モドキなどなど。

 

動物名はしょうがないでしょうか。

ネコ、イヌ、ネズミ、トラ、オニ(架空)などなど。

 

 

 

 

見るには

 

 

父島での分布は、僕もわずかしか知らない。

かなり限られた分布だろう。

 

ただし、

東平の初寝山ルートで見られる。

ここは入林パスが必要なルート。

 

東平&初寝山(森歩き)

 

普段、めったに紹介しないので、

見たい方はリクエストしてほしい。

 

森歩きツアーで訪れる。

 

 

森歩き

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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